老後は病院の情報をどのように収集するといいのでしょうか? 精神科医の保坂隆氏は、による著書『精神科医が教える ずぼら老後の知恵袋』の中で「プチずぼら」を推奨しています。一体それはどんなことをすればいいのでしょうか? 具体的な方法を本書から紹介します。
「いい男」「いい女」はちょっとずぼらなタイプ
一人暮らしのシニアが増えています。パートナーとの離婚、死別、そもそも結婚していないなど、事情はさまざまです。その後、結婚するかしないか、一人で暮らすか否かは別としても、やはり人間、死ぬまで異性を気にしていたいものです。こんなことを話すと、「いい歳をして恥ずかしい」と言う人もいるかもしれませんが、異性へのときめきは、生きるうえで大きな原動力ではないでしょうか。
ところで、同性ばかりが集まる趣味のサークルももちろんですが、時には男女が入り交じる集まりにも顔を出すことがあるでしょう。このとき、「異性の目がある」というだけで、背筋がしゃんとし、心が華やぎ、女性なら薄くメイクをしたり、いつもより明るい色の服を選んだりしませんか。
男性ならきちんとひげをそり、襟元がきちんとした服を選ぶなど、いろいろな変化が見られるでしょう。「次はどんなことを話そうかな」「次は何を着ていこうかな」とワクワクする気持ちが生活に張りをもたせ、アンチエイジングや脳の活性化にも効果があるのです。もう一歩進むと、それが「恋」に発展し結婚へと進んでいくケースも、最近では珍しくありません。
はじめのうちは一緒にお茶を飲んだり映画を見たりといったデートで満足だったけれど、次第に、残された時間を寄り添って生活したいという気持ちになるのは、人間としてごく自然なこと。歳をとっても恋心を忘れない「いい男」「いい女」でいることは、人生を彩り豊かにしてくれることと思います。
ただ、面白いことに、あまりおしゃれに気を配りすぎる人は、異性に人気がないそうです。普段の自分を感じさせるような自然な服装で、話し方も態度も、「自分はこんな人間だから」と無理をしない人が好かれるとか。なんだか、プチずぼら派には心強いではありませんか。