忙しい毎日のなかで、部屋を片づけたくてもどこから手をつけていいかわからない、いざ片づけはじめても途中で挫折する……そんな悩みを抱えている人も少なくないでしょう。そこで、『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)より、片づけの成功率をグッと高める方法をみていきましょう。著者の西﨑彩智氏が解説します。
「まとまった時間」をあてにしない
かつて私の家も「片づかない家」でした。離婚協議成立までの2年ほどは特にひどかったです。片づかない状態が続き、私は、いかに自分が面倒くさがり屋で大雑把であるかということを思い知らされました。
そもそも家が片づかないのは、全てを後回しにするからです。「明日やろう」、「週末にやろう」、「月末にやろう」……、果ては、「時間ができたらやろう」。
断言してもいいです。そんなにまとまった時間がとれることなんて絶対にありません。
それに、もしも頑張って「まとまった時間」が取れたとして、それを片づけのために使うなんてもったいないと思いませんか? せっかくなら大切な人と旅行したり、自分の好きなことをしたりする時間にしたいと思いませんか?
かつての私は、いつもイライラしていました。週末になるまで家事をため込んで、バタバタ、バタバタする週末を迎えるのが本当に嫌だった。自分のことは、全て後回し。「家族はそれぞれ好きなことをしているのに、どうして私ばかりがこんなに忙しいの? 何もかも放り出したい!」と思ったこともしばしば……。
本当は、「休みの日」は家族みんなとのんびり過ごす日にしたかった。ただ、それだけでした。
「ためないこと」で、片づけを習慣にしていく
それなら、どうすればよかったのか。今の私なら、わかります。一番大切なことは「ためないこと」。ためていいことなんて一つもありません。
例えば、私はアイロンがけが大嫌いです。嫌いだと、ついついためこんでしまいますよね。私もかつては、5枚、10枚ためこんでいました。楽しいことなら、30分かかっても、1時間かかっても、鼻歌でも歌いながらできる作業かもしれません。でも嫌いなことだと、苦行でしかないわけです。
忙しいからといって、スキップすればするほど、未来の自分に負荷がかかるんです。今の自分ができないのに、未来の自分ができるわけがないですよね。未来の自分に期待してはいけないんですよ。
片づけも同じなんです。ためこむから嫌になる。「私は一体、何をやっているんだろう」、そう自分を責めたくなる。
矛先は自分だけじゃなく、家族にも向くでしょう。そんな自分がまた嫌になって、ますます自分を責めてしまう。もう、負のループです。この負のループから抜け出すためにはどうしたらよいのか。その方法はただ一つしかありません。
それは、発想を転換すること。「面倒くさがりな自分が、どうすればできるのか」。そういう発想を持つこと。自分を変える必要はない。習慣を変えればいいだけ。
そう。今の自分が、「できる習慣」を見つければいいんです。