片付けない家族にイライラ。家のなかの空気はギスギス…。『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)の著者であり、お片づけ習慣化コンサルタントの西﨑彩智氏は、家族に片づけを無理強いするべきではないといいます。家族と協力して片付ける方法と家族間へのよい影響について解説します。
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他人のやる気は気長に待とう
無理強いしないほうがうまくいく
片づけを実行するには「やる気を待たない」ことが大切と書きました。
でも、それは自分に限っての話。他人に関してはやる気を待つことが大切です。
あるご家庭では、ご主人が大のコレクション好き。奥様が「こんなのまだ取っておくの?」と思うような古いおもちゃや、ゲーム機器をずっと取っておくタイプの方でした。
「もういらないでしょう?」と声をかけても、頑として首を縦に振らなかったようで、奥様は私の前でため息ばかり。私は、その方に、「とりあえずは、片づけているところを見せるだけでいいと思いますよ」とアドバイスしました。
そこで、その方は、自分が持っている本だったり、CDだったり、アクセサリーだったりを手放し、業者に買い取ってもらう作業を始めたそうです。
最初は、全く興味なさそうにしていたご主人でしたが、奥様と子どもたちが、
「これ、いくらで売れると思う?」
「意外と高く買ってもらえたね!」
「このお金で、外食しよう!」
などと盛り上がっている様子を見て、段々と関心が湧いてきたのでしょう。
ある日、「今度、売りに行くときは、僕も一緒に行こうかな」とおっしゃったそうです。結果、ご主人のコレクションはすべて買い取りに出し、おうちもスッキリ。意外と高く買い取ってもらったので、そのお金を使って、ご家族でディズニーランドに行かれたのだとか。
「あのとき、しつこく片づけを勧めなくてよかったです!」
ため息ばかりついていた頃が嘘のような晴れ晴れとした笑顔で、こちらまで笑顔になりました。自分のやる気は待たない、でも、他人のやる気は待つことが大切なのです。
他人は変えられない。自分ができる片づけをコツコツやろう