今、投資をする人たちの間で、全世界株式インデックスファンド「オール・カントリー」(通称:オルカン)が人気です。なぜ、オルカンが今、多くの人に選ばれているのでしょうか? また、オルカンへの投資を検討する際のポイントについて、CFPであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を務める市川雄一郎氏が、解説します。
「オルカン一択でOK」は本当?…NISAで人気の全世界株式「オルカン」への投資で必ず把握しておきたい、株価暴落時に「とるべき対処法」【CFPが助言】
いま人気の株式“オルカン”の落とし穴とは
積立投資で人気が高いものとして「オルカン」と呼ばれる全世界株型の投資信託があります。
なぜ、オルカンに人気が集まるのか。また、オルカンへの投資が、皆さんにとって正しい選択なのかを知るためには、まずはしっかりと、オルカンについて理解することが重要です。
オルカンとは、全世界株式に投資が行えるファンドのことを指します。これがいわゆるオールカントリー、通称「オルカン」と呼ばれているものです。世界中に投資をすることで、世界経済の恩恵を受けられるため、人気が高く、なかには「オルカン一択でオッケー」と言う人もいるほどです。
しかし、果たして本当にオルカンだけでよいのでしょうか。
オルカンのファンドはさまざまですが、たとえば三菱UFJが出している「eMAXIS Slim」シリーズのなかにも、オルカンのファンドがあります。このオルカンファンドは右肩上がりに成長しており、このまま投資していけば、安心感は確かにあると思いますが、「中身」をしっかりと知ることが大事です。検索エンジンや証券口座から構成比率を見ることができます。
投資の状況を見てみると、国際株式が90%になっていることがわかります。世界的な株式に90%ほど投資しているその構成比率は、アメリカが60.79%、ヨーロッパに17%強という割合です。そして中南米は1%弱、アジア・オセアニアに19%程度投資しています。
さらに、上位10銘柄の構成比率は、すべてがアメリカです。1位がApple、2位がMicrosoftの4.2%、そしてNVIDIA、Amazon、Alphabetと続きます。
このように、皆さんが知っているようなアメリカの有名企業が並んでいます。こういった点まで調べたうえで、本当にオールカントリーが適しているのかどうかを判断していただきたいのです。