新NISAを始めてみたものの、「いつ売るべきかわからない」という人も多いのではないでしょうか。どうせ売却するなら、損をしないタイミングで売却したいものです。そこで今回、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を務める、CFPの市川雄一郎氏が、新NISAで運用した資産を現金化する際の、「最適な売り時」と「注意点」について、解説します。
必ず知っておきたい〈新NISA〉の出口対策…運用資産の売却→現金化の「ベストタイミング」と「方法」は?【CFPが解説】
NISAを現金化する「ベストタイミング」は?
NISAを始めてはみたけれども、「いつ売ったらいいのかわからない」という人も多いかと思います。NISAを始めている人は、「売り時」について、どのように考えているのでしょうか?
そもそもNISAとは、基本的には「長期投資」を前提とした制度です。そのため、元本も1,800万円まで投資することができます。期間についても、この元本が1,800万円になるまでであれば、どれだけかかっても構いません。できるだけコツコツ、少額でも投資を続けることが大事な制度となっています。
とはいえ、「いつかは売りたい」と思っている人も多いはず。ここでは、NISAの現金化、特に「最適な売り時」と、その注意点について解説していきます。
「目的」に合わせて現金化しよう
そもそも、あなたはなぜNISAを始めたのでしょうか?
NISAを始めるとき、多くの人が「お金を貯めたい」と思い、始めたはずです。そのときに、どのような「目的」を持っていたかが重要になります。
「目的」とは、ゴールのことです。老後資金を作りたいと思ったのか、数年先の教育資金を貯めたいと思っていたのか。それにより、いつ現金化したほうがいいのかが、変わってきます。
つまり、現金化するべきタイミングというのは、人それぞれで異なるということです。なぜなら、目的が人それぞれで違うからです。
例えば、
・今から老後資金として40年間運用したいと思っている20代
・現在、マイホームを抱え、子どもが生まれたばかりで、子どもが大学に行くまでの18年間でお金を貯めたい30代
・5年から10年先まで運用したいけれど、その後は年金のプラスアルファにしたい50代、60代
上記のような目的を持つ人たちの、それぞれのゴールに合わせた現金化が必要です。