老後を年金だけで暮らすことに不安を抱えている人は少なくありません。投資で資産を増やすべく、50代や60代で新たに投資デビューをする場合、不本意な投資商品をうっかり買わないように気をつける必要がある、とファイナンシャル・プランナーであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を務める市川雄一郎氏はいいます。投資初心者がやってはいけない「5つのこと」を、詳しく見ていきましょう。
不安の残る老後のために投資を始めたいが…
50代・60代の人は、仕事を辞めて「第2の人生」をどう歩んでいくか、考えることも多いのではないでしょうか。老後資金や年金といった、さまざまな問題もあります。お金は将来、いくらあっても困ることはありません。だからこそ、真剣に考えていく必要があるのです。
「年金だけでは不安だ」という人も、やはり非常に多いかと思います。それでは、今後どのように投資をしていけばいいのでしょうか?
今まで投資をしたことがなく、「今からはじめて間に合うのか?」という質問も多くいただきます。しかし、「人生100年時代」といわれているなか、60歳になって、突然仕事を辞めてしまう人のほうが少ないのではないでしょうか? これから、自分の人生をより豊かにしていこうという人は、投資にも真剣に向き合ってみることをおすすめします。
ここからは、50代、60代の人が「やってはいけない」5つの投資を解説していきます。
①目的・目標がない投資
1つ目は、目的・目標がないということ。この目的は、ゴールのことを指します。そして目標とは、そのゴールに向かって、途中途中で何をしていくかということ。
例えば、合格というゴールに向かって、大学受験の英語の勉強では、単語を1日10個から20個ほど覚える。これが目標です。こういった目標をひとつひとつ積み重ねて、ゴールである目的にたどり着くのです。
これは投資も一緒です。いつまでにいくらのお金を貯めたい、ということを明確にします。そのために、どういったステップを踏めばよいのか、どのような金融商品を選べばよいのか。ここが大事なポイントです。
目標や目的がないまま投資をしても、途中でダレてしまいます。人間の意思は弱いので、目的がなければ長続きは絶対しません。
ダイエットをしようと思っても、しっかりと目的を持たずにいたがゆえに途中であきらめてしまい、3日坊主になってしまったという人も多いと思います。まずは、目的と、そのための目標を持つということが大事になります。
そのうえで生活の収支をしっかりと把握するということが大切です。これは収支を把握していない企業が成長しないのと同じであるといえるでしょう。
どれだけ収入があって、どれだけ出ていく、だからこの部分を投資に回せる、というように、まずは収入と支出をしっかりと把握し、どれだけ無駄を省けるかということを明確にしましょう。