今年に入って新NISAがスタートし、投資信託や資産運用に関心を持つ人が増えているようです。しかし、証券口座を開設したものの、実際に運用を開始できていない人が約4割もいる現状があり、投資を「難しい」「怖い」と考えている人が一定数いるのも、また事実かもしれません。そこで今回は、初心者が投資を始めるうえで大切な心得を、CFPであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を勤める市川雄一郎氏が解説します。
〈万人向けの商品〉〈金融機関への相談〉は要注意…投資初心者が「不本意な投資」をしないために頭に入れておきたい“鉄の掟”【CFPが助言】
資産運用をはじめるための具体的なプランニング
「資産運用」や「投資」という言葉に、どのようなことをイメージしますか?
“危険”“騙されそう”という印象を持つ人も少なくないのではないでしょうか。誰しも、やったことのないことや知らないことに対しては拒否反応を示すものです。
しかし、投資の経験はなくても、預貯金をしたことがある人は多いのではないでしょうか。実は、預金をすることは、投資をしていることと同じです。お金を預けていて返ってくる金利が「利息」となります。
預貯金は、「銀行」を介して間接的に投資を行っていることになりますが、間接的な投資だと、利息はすずめの涙ですよね。実際に、自分で直接的に投資を行って、その企業が成長すれば、しっかりとリターンとして返ってきます。これが「直接投資」です。
直接投資と聞いてピンと来なくても大丈夫です。直接投資の経験がないから知らないだけで、経験を積んでいけば、どんどん上手になっていきます。身に着けた知識を活かしていくことが大切です。
「投資」と「ギャンブル」はどう違う?
また、勘違いしている人も多いですが、「投資」と「ギャンブル」が一緒だというのは、大きな間違いです。
ギャンブルは、どちらかが得をしてどちらかが損をするという形態ですが、株はそうではありません。ここが大きな違いになります。
投資用語では、ギャンブルのことを「投機」といいます。チャンスを狙ってお金を投じることを指しますが、FX取引がこれにあたると考えます。大きく利益を上げられている人もいるかもしれませんが、逆に、大きな損失をしている人もたくさん知っています。
チャンスを見極められるだけの力を養っていかなければ、投機はお金を増やしていくことにはつながりません。
ちなみに、企業も「事業投資」というものを行っています。これは、企業を成長させるための投資で、皆さんがこれから行おうとしている資産運用は、自分の資産を成長させるための投資ということになります。