老後を年金だけで暮らすことに不安を抱えている人は少なくありません。投資で資産を増やすべく、50代や60代で新たに投資デビューをする場合、不本意な投資商品をうっかり買わないように気をつける必要がある、とファイナンシャル・プランナーであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を務める市川雄一郎氏はいいます。投資初心者がやってはいけない「5つのこと」を、詳しく見ていきましょう。
50代、60代がやってはいけない投資、2つ目は?
➁毎月分配型の投資
商品を選ぶ際、人気のあるものに偏ってしまう人が多くいます。
毎月分配型の投資商品を買えば、毎月分配金が出るのでお金が増えるのではないか、と考える人はその商品性を把握していないといえます。
毎月分配型の投資信託に投資する場合、ある程度まとまったお金で投資ができるのか、という問題があります。
毎月分配型の積立投資をしようと毎月数万円ずつ投資をしても、入ってくるお金は数百円です。その数百円を再投資せず、そのまま受け取ってしまうとどうなるでしょうか。複利の効果が何もないため、お金は増えていきません。
そのため、投資をするにあたっては「商品選び」が重要です。
毎月分配型の投資信託に限ったことではありませんが、投資信託の中身を見てみると、金融機関によって同じ投資信託でも販売手数料が違ったりしますし、信託報酬などを含めた相対的なコストが高かったりする場合もあるので、総合的に必要な手数料をしっかりと確認する必要があります。ちなみに、NISAでは、毎月分配型の投資信託は選ぶことはできません。
また、分配金が出る商品のなかには、元本を取り崩して投資家に配当をしているものもあります。これをタコ足配当、通称タコ配と言いますが、自分で投資したお金を自分で受け取ってしまっているケースがあるため、注意が必要です。タコ配には税金が課税されておらず、名称が特別分配金と記載されているので、得した気分にならないように気をつけましょう。