50代、60代がやってはいけない投資、5つ目は?

⑤「好きな企業」という理由だけで企業の株を買う

私は、まずは身近な企業から金融商品を選択することをおすすめしています。真逆のことをいっていると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

例えば、皆さんがよく行くスーパーが上場していたとしましょう。「イトーヨーカドー」や「イオン」、ほかにもいろいろなスーパーマーケットがあり、そのなかで上場している企業と関わっているところがあります。

自分がそこの企業が好きだから買っていいのかというと、これはそうではありません。「近いところにあるから」「毎日行っているから」といった理由で、企業の株を買えばいいわけではないのです。

そのスーパーの客の入りはどうでしょうか? 買い物客がたくさん来ていれば、当然それだけ売上が上がります。しかし、もしガラガラだった場合はどうでしょうか? お昼のフードコートにお客さんがたくさんいるほうが、儲かっている気がしませんか?

それが正しい選択です。

まずは、自分で体感したときに、「よい」と思えるかどうかが重要です。「好き」だけで買うのではなく、実際に、自分が体感すること、そこで、プラスなのかマイナスなのかを判断することを、大事にしてほしいです。

もちろん、地方に住んでいる人にとってのアミューズメントパークなど、自分が体感できないこともあります。しかし、長期休暇やインバウンドによって、混んでいるアミューズメントパークや駅、ホテルなど、企業が儲けられるステージがたくさんできあがっています。

自分が体感できなかったとしても、ニュースから感じ取ることができるのです。なので、「好き」というだけではなく、さまざまなところから情報をキャッチしていただきたいと思います。

そのうえで細かく分析できるようになるのが理想ですが、まずは体感するということをぜひ大事にしてほしいです。

「何かよさそう」という感覚だけで投資商品を買わない

今回は、50代・60代に向けて、「やってはいけない投資」について見てきました。投資を始める前にすべきこととして、まずは生活費をしっかり把握するということ。これは家計も企業も一緒です。「入り」と「出」を把握して無駄を省くことが、お金が貯まる第一歩です。

そして、目的・目標を定めるということ。目的に向かって強い意志を持って、ひとつひとつステップアップしていくことが大切です。

また、知らないものには投資しないということ。商品性をしっかり理解し、納得して買うことを大事にしてください。金融機関の人に勧められた場合、どうしてそれが自分に合っているのか、納得するまで聞くことをおすすめします。

過去のパフォーマンスは、将来を約束するものではありません。ましてや、自分に合った商品なのかどうかはわかりません。金融機関も買ってもらうことが目的なので、いろいろな人に同じ商品を販売するケースもあると思います。「何かよさそう」というだけで、買ってしまわないようにしましょう。

金融機関で商品を購入するときにハンコを押して、インターネットであればボタンを押して契約するということは、みなさんが納得したうえで契約していることになるので、すべてみなさんの責任です。自分で理解するまで、しっかりと学習することが大事です。

50代・60代の人が投資をするのは、まだまだ遅くないと思います。やらなければならないことを理解したうえで、投資を行なうようにしてください。

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市川 雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール(GFS)