高齢者の不安の種として挙げられることが多い「がん」。がんにならないためには、どのようなことに注意を払って日々を過ごすべきなのでしょうか。鎌田實氏と和田秀樹氏の共著『医者の話を鵜吞みにするな』(ワック)より、鎌田氏が提唱する「がんにならない生活術」について医師2人の対談を見ていきましょう。
いつまでも長くお酒を楽しむための「道」
4番目は免疫力のアップ。人間の免疫細胞は7割が腸にあるといわれているので、腸内環境をよくすれば免疫力が上がります。それには発酵食品と食物繊維をよく摂ること、そして、よく笑うこと、希望を持つことで免疫力はアップします。5番目は、何度も述べるようにスクワットとカカト落としなどの貯筋運動。
和田 やはり「貯筋」が大事。
鎌田 毎日ちょっとずつでいいんですからね(笑)。そして6番目が禁煙。タバコは百害あって一利なし。最後の7番目がアルコールは適量に。日本酒なら2合程度が目安。飲み過ぎはいけません。ワイン大好きな和田さんは、美味しいワインを見つけて、楽しんで、それを仲間たちに振舞って、周りをよろこばす、そういう素晴らしい時間が、長く続けられるように……。
でも余計なことですが、度を越さないようにしてください。死亡率が最も低いのが、一日平均、純アルコール約20グラムを摂取するグループで、飲まない人よりも、少し飲む人が長生き。ワインなら1日に1杯半がおすすめ。僕が主治医なら、和田さんの生き方に少しおまけをして2杯。こんなことをいわれたら、和田さんは僕の外来に絶対に来たくなくなるかもしれませんね(笑)。でも、いまは少しだけ控えておくことが、いつまでも長〜くお酒を楽しむための道なんですよ。
鎌田 實
医師
和田 秀樹
精神科医