FXをやるうえで、当然リスクはつきもの。しかし、「生涯トレード回数を少なくする」「自分自身のトレードルールを作る」といったことを心掛けることで、勝率は上がる、とFXトレーダーであるHiro氏は言います。Hiro氏の著書「FX 環境認識の定石」(日本実業出版社)より、自分のトレードルールを定めるうえで重要な「2つのポイント」について、詳しくみていきましょう。
相場のリスクに巻き込まれ、破綻しないために…FXをやるうえで「勝ち」より優先すべき、最も大切な〈ルール〉【YouTubeで人気のプロトレーダーが助言】

勝つために大切な“トレードルール”…作成のポイントは2つ

トレードを成功させるためには、自分自身のトレードルールを作成することが大切です。他人のルールをコピーしてもいいのですが、自分の性格や生活スタイルに合わせて調整する必要があります。ここでは、トレードルールを作成する際のポイントについて紹介します。

 

トレードルールは自分で作る

トレードは必ずルールを作って臨む。ここまで本書を読み進めてくださった方であれば、この重要性についてはご理解いただけると思います。

 

問題なのは、どんなトレードルールを作成するかです。ここで他人のトレードルールをコピーするという方法が考えられますが、あまりおすすめはしません。当然ですが、自分と他人では性格や生活スタイル、資金量が違って、同じルールであっても運用結果は異なってしまうことがほとんどです。ルールに裁量が入っていればなおさらです。

 

もちろん、学習の初期段階や自分のルールを作る叩き台のために他人のルールを真似してみるのはとても有効な方法だと思います。ですが、あくまでトレードルールは自分で作ることが肝要です。コピーをするにしても自分仕様に多少のアレンジは必要です。この意識を持つようにしてください。

 

そのうえで、トレードルールを作る際のポイントを2つ紹介します。

 

ポイント①どんな波を、どのような形で取りたいか

まず1つ目が、トレードのコンセプトを明確にすることです。言い換えると、「どんな波を、どのような形で取りたいか」をまず決めるということです。例えば私であれば、次のようなコンセプトを立てます。

 

●エリオット波動の推進5波を取りたい

●そのためには時間足を落として、3波の初動でエントリーして、5波終了で決済するトレンドフォロー戦略を採用する

 

このような形でまずはコンセプトを決め、次は具体的にどうしていくかといった細かいポイントを深掘りしていきます。過去の私もそうでしたが、最初はどうしても近視眼的に相場を見てしまうことで、細かいテクニック的なところから考えてしまいがちです。そうなると、自分の中に軸がないためトレードがブレたり、うまくいかないと「他にいい手法はないか」と聖杯探しを始めがちになります。

 

まずは大枠である戦略、コンセプトの部分を明確にするように意識してください。

 

ポイント②継続できるかどうか

2つ目のポイントが、継続できるかどうかを最優先にすることです。

 

自分自身の性格や生活スタイルを考慮して、無理なく続けられるかどうか、これを何よりも優先させてトレードスタイルやルールを決めるようにしてください。

 

大事なポイントなのでもっと端的な言い方をします。「勝てるかどうか」より「継続できるか」を優先してください。いくら勝てる手法であったとしても、それを継続的に運用できなければまったく意味がありません。今は勝てなくても、継続できるスタイルで始めれば、その継続の過程で修正が可能になります。ですから、私は継続できるかどうかを優先すべきだと考えています。

 

「鶏が先か、卵が先か?」に似たような話で、人それぞれの捉え方による部分も大きい話だと思いますが、多くの人を見てきて感じた私なりの結論です。

 

最初から勝てるかどうかを優先している人は、いつまで経っても勝てないか、いつの間にかいなくなっているのに対して、継続できるスタイルで始めた人は遅かれ早かれ勝てるようになっている人が多いです。

 

また、いくらお金を稼がなくてはいけないとはいえ、大切な家族との関係性や自分の健康を損なってまでFXをするべきではありません。家族との時間や自分の健康を大切にしながらお金を稼ぐ手段を模索する、その1つの方法がFXというだけです。

 

無理を続けていくと、精神面、肉体面のどこかに歪みが生じてしまい、必ずいつか破綻します。それはトレードそのものかもしれないし、人間関係やあなたの健康かもしれません。そうなる前にこのポイントを今一度考えてみてください。

 

 

Hiro
FXトレーダー