人生100年時代、定年後も働こうと考えている人は多いでしょう。FP Office株式会社の工藤由美子FPによると、定年後も働き続ける意思がある場合「退職するタイミング」によって、その後の収入に大きな差が生まれるといいます。その差とはいったいなんなのか……役職定年後、再雇用で働く男性の事例をもとに、詳しくみていきましょう。
すぐに会社をやめて!…年収450万円“仕事大好き”な64歳サラリーマン、妻のセリフに絶句→納得して「定年直前」に退職したワケ【FPの助言】
64歳11ヵ月で退職した場合に受給可能な給付金
失業給付金とは、雇用保険の被保険者が定年や倒産、契約期間満了により離職した場合に、再就職のサポートのために支給されるものです。これにより、失業中も金銭的な不安を抱えることなく新しい仕事を探すことができます。
支給要件は下記のとおりです。
<支給要件>
1.ハローワークに行って求職の申し込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就業できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
2.離職の日以前2年前に、被保険者期間※が通算して12ヵ月以上あること。
※ 被保険者期間……雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月と計算します。
■支給期間
なお、受給できる日数は、離職日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間および離職の理由などによって、90日~360日のあいだでそれぞれ決定されます。退職理由が自己都合の場合は最長150日、会社都合の場合には最長360日受給可能です。
支給期間は原則、離職した日の翌日から約1年間※1ですが、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことができなくなった日数分のみ受給期間を延長することができます※2。
※1 所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日。
※2 ただし、所定給付日数330日の方は最大3年-30日、360日の方は3年-60日。
■支給額
雇用保険で受給できる1日あたりの金額を「基本手当日額」といいます。
この「基本手当」は原則、賃金日額のおよそ50%~80%(60歳~64歳は45~80%)となっており、賃金の低い人ほど割合が高くなります。
なお、賃金日額の計算式は下記のとおりです。
基本手当日額は年齢区分ごとにその上限が定められており、現在は[図表1]のようになっています。