保険会社「保険料が安くなります!」

生命保険は契約者全員が保険料を出し合い、ある契約者が万が一の状態となったときに保険金を支払うという相互扶助の仕組みをとっています。

契約者が支払う保険料には一定の利益を見込んだ率を組み込んでおり、契約者が死亡したときに支払う保険金や、解約をしたときに支払う解約返戻金、保険会社の運営のための費用などさまざまなものを予定率として計算しています。

一定程度の利益を見込んだ保険料設定を行っているため、保険会社としては保険を続けてもらうほど運営上有利ということになります。

とはいえ、保険料を安くしてまで見直すことにどんなメリットがあるのでしょうか?

予定利率の高い保険から低い保険への見直し

予定利率とは、保険会社が保険契約者に対して将来の保険料の一部を運用する際の利率のことです。これは、保険料の一部を預かって運用することで生まれる利益を見込み、その分を保険料から割り引いたり、解約した際の積立金の返戻率という形で設定されます。

簡単にいえば、保険料や契約返戻金の戻り率を決める際に使われる利率のことです。予定利率が高い保険のほうが、低い保険と比較して保険料が安く、積立型の保険の場合は返戻率が高い(増える割合が大きい)ものになります。

一般的にバブル直後の1980年後半がピークで、それ以降は下降傾向となっています。積立型保険を例にとると、1980年後半ごろには予定利率5%といういまでは絶対にあり得ないような高利率の保険も販売されていました。保険会社からしたら、いまの状態では儲けのない商品となっていても、約束された利率で増やさなければならないため、高利率の保険は負担となるわけです。

高い予定利率から低い予定利率への保険契約の見直しは、保険会社から見たらメリットとなります。見直しの結果、たとえ保険料が安くなってしまったとしても現在の予定利率を鑑みればメリットのほうが大きいのです。

契約者が注意すべき点は、上記のような見直しを行った場合、戻り率が下がるなど、見直しに対してメリットを受ける可能性は低くなることがあります。保険料が安くなるとはいえ、これまでと比べて低い予定利率の保険だった場合、一般的には将来の解約返戻金の返戻率が下がるのです。

「保険料を下げることができる」という考えのもと、高い予定利率の保険を見直しする際は注意が必要です。