保険外交員からの売り文句として「保険料が〇〇円安くなります」と加入中の保険の見直しをおすすめされたことのある人は多いでしょう。では、保険料が安くなるのに、営利企業である保険会社が儲かるのはなぜなのでしょうか? 本記事では保険を検討・見直しする際、保険会社の思うつぼと陥らないよう、契約者として考慮すべきポイントについて、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。
「保険料が安くなります」←保険会社はそれでも儲かる恐い理由…保険外交員に〈狙われやすい契約内容〉の共通点【CFPが解説】
保障内容の見直し
保険料が下がるということは、その分保障内容が変わるということが考えられます。たとえば、お子様が社会人となることで大きな保障は必要なくなったり、定年を迎え年金生活となり死亡メインの保障から病気・ケガがメインの保障へ見直したりする等です。
一定年齢に達すると更新を迎えるタイプの保険の場合、加入時の保障内容のまま継続を行うと一般的に保険料は増えていきます。更新時の年齢で保険料が再計算となるからです。ある程度のライフステージが進むと、どのご家庭でも必要保障に変化は生じます。
結果として保障内容を調整することで保険料が下がることもあります。見直しの際は、自分にとって必要な保障内容となっているかを確認しましょう。不必要と感じる保障がついていたり、逆に望む保障がついていなかったり、足りない保障額、積立部分を取り崩した見直し等、さまざまな見直し方法があります。
見直しによって保険料が下がる理由を確認することが大切です。
見直しが「悪」というわけではない
前述のとおり、どのご家庭でも出産、住宅購入、お子様の進学・結婚、孫の誕生、定年退職といったライフステージの変化があり、それらに伴い必要保障は変化していきます。ライフステージの変化に合わせた適正な保障額に見直すことで、結果として保険料が下がるのであればいいことです。
特に掛け捨て型の保険は、各社保険料水準を毎年のように改定し、保険を検討する方にとって求めやすい水準となるよう企業努力を重ねています。見直しを行うことで最新の保障内容にグレードアップすることも期待できるので、見直し後の内容にメリットを感じるのであれば前向きに見直しを検討されることをおすすめします。
比較的低廉な保険料で大きな保障を持つことができるのは生命保険の大きな特徴であり、保険会社の存在なくして生命保険に加入することはできません。生命保険を組成しているのは保険会社であり、保険会社が利益を上げ続けて存続することにより私たちの保障が守られているともいえます。
とはいえ、すべて保険会社(の外交員)に任せきりにせず、ある程度自分に合った保障を自分で選べるようにしたいものです。