1986年にテレビドラマが放映されて以来、多くのファンに愛されてきた『あぶない刑事』シリーズの最新映画『帰ってきた あぶない刑事』(原廣利監督)が5月24日(金)に公開され、週末3日間(24~26日)で観客動員数が25万人、興行収入が3.5億円を突破。週末動員ランキング1位を記録し、前作『さらば あぶない刑事』の16.3億円超えとなる20億円も射程圏内のヒットスタートとなった。往年のファンにとっても待ってましたの話題作だが、今年はシニア層にスポットを当てた映画が続々と公開中、公開を控えている。作品を紹介しながらその共通点を探ってみたい。
洋画でも“シニア映画”が続々公開
洋画でも、シニア層にスポットを当てた映画の公開が控えている。
6月7日に公開される映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(ヘティ・マクドナルド監督)は、定年退職し、妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルド・フライ(ジム・ブロードベントさん)が主人公。ある日、北の果てから思いがけない手紙が届いたことをきっかけにハロルドは手ぶらでイギリス縦断の旅に出る。道中、さまざまな事情を抱えた人々に出会うことでハロルド自身も変わっていく。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(6月21日公開・アレクサンダー・ペイン監督)も、世代も立場もまったく異なる者同士の交流を描いた作品。1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校を舞台に、生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポール(ポール・ジアマッティさん)と、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった学生アンガス(ドミニク・セッサさん)、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー(ダバイン・ジョイ・ランドルフさん)の3人が2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように過ごすというストーリー。
「シニア映画」とは言うものの…
ざっと直近で公開予定のシニアにスポットを当てた作品を紹介したが、どの作品にも共通しているのが、異なる世代や立場の者同士がふとしたきっかけで知り合うことで新しい世界が広がるという点。ちょっと一歩踏み出すだけで世界はこんなにも変わるのかという希望に満ちた作品群だ。「シニア映画」とはくくったものの、世代関係なくいろいろな人に見てほしい期待作ばかりだ。
THE GOLD 60編集部