最近、コンビニや街中のカフェで「やたらバナナを使った商品を見るな」と思いませんか? バナナは今が旬なのかな?と思いましたがよく考えてみたらバナナは熱帯の植物で1年を通して流通しています。そんな折、Xのツイートで「フィリピンのほうで台風があり、傷ものバナナが大量に発生して日本が安くバナナを仕入れてバナナを使った商品が出回っている」という旨のツイートがバズりました。果たして真実はいかに?と調べたところ、果物大手のDoleが実施する「もったいないバナナプロジェクト」という取り組みにたどり着きました。というわけで、真実を確かめるべく、Dole(東京都中央区)に取材しました。
セブン-イレブンは2商品を展開 「もったいないバナナプロジェクト」とは?
コンビニ大手のセブン-イレブンでは、セブン&アイグループのプライベートブランド「セブンプレミアム」で6月3日から「セブンプレミアム まるで完熟バナナ」と「セブンプレミアム ワッフルコーン バナナシェイク」の2種類を販売しています。両商品では、まだおいしく食べられるのに様々な理由で廃棄されてしまう規格外バナナである「もったいないバナナ」を使用しています。
「もったいないバナナプロジェクト」は、Doleが主催する廃棄バナナゼロを目指すSDGsの取り組みの一つで、果肉や品質には全く問題がなくまだ食べられる状態にもかかわらず、皮に傷がついていたり、形が歪んでいたり、サイズが大きすぎたり、逆に小さすぎたりして捨てざるを得ない規格外バナナを「もったいないバナナ」と名付け、救出する取り組みを2021年9月から実施。当初は2社のジューススタンドからスタートした取り組みが2024年3月時点で賛同企業は43社、商品展開数は55以上に拡大しています。
同社によると、2023年度(2023年4月から2024年3月)は、バナナの産地・フィリピンで「規格外」とされたバナナは約2万トン。そのうち約900トン、本数にして約600万本(1本150グラム計算)のバナナが救出され、日本に輸入されたと言います。
今年から新たにスタバも参加
今年は新たに「スターバックス コーヒー ジャパン」も同プロジェクトに参加。店舗では「もったいないバナナ」を使用した「バナナ ブリュレ フラペチーノ(R)」が販売中ですが、同プロジェクトを主導する成瀬晶子さんは「スターバックスとの取り組みで一般の消費者の方にも多く認知されるきっかけになったと感じています」と手応えを明かしました。
バナナだけではなく、他のフルーツにも拡大中
「バナナは春や秋口に需要が高まるというのはあるのですが、特に『この時期が旬です』ということはありません。今回、こうして注目されているのは、セブン-イレブンやスターバックスなど、発信力のある企業との取り組みも大きいと思います」(同社広報・中島小織さん)
今月18日からはプロントコーポ レーションが展開するカフェ「È PRONTO」 で「もったいないバナナ」を使用したパンケーキの販売を予定するなど、「もったいないバナナ」の輪はますます広がりそうです。
今後の展望について聞くと、「この取り組みは『もったいないフルーツ』プロジェクトとして、パイナップルなどバナナ以外のフルーツにも広がっています。今後も引き続き取り組んで、フルーツロスゼロを目指したい」と成瀬さん。中島さんも「フードロスの問題に多くの人が興味を持ってくれたら嬉しい」と話しました。
ちなみに、SNSでつぶやかれていた「フィリピンのほうで台風があり、傷ものバナナが大量に発生して日本が安くバナナを仕入れてバナナを使った商品が出回っている」という件については、「弊社で取り扱っているバナナに関しては、台風とは関係ございません」とのことです。
G60編集部