会社員は、税金の計算について“会社に任せっきり”という人も多いでしょう。そのため、納税に関する知識がなく、定年後に「余分に納税しているのに気づいていない人」も少なくありません。そこで、『定年までに知らないとヤバイお金の話【最新版】』(彩図社)より、定年退職を迎えた“元会社員”が知っておきたい税金の基礎知識をみていきましょう。著者でファイナンシャルプランナーの岡崎充輝氏が解説します。
年金にも課税される日本「余分に納税している人」多数!?…定年後の元会社員が知っておきたい「還付金」の受け取り方【FPが解説】
素朴な疑問「健康保険」は定年後どうなるの?
健康保険は、定年後にどうなるのか? これは、かなりの人が不安に思うことではないでしょうか?
「健康保険」というのは、病院や歯医者で提示する保険証のことです。
大きく分けて、次の3つに分けることができます。
・政府管掌健康保険(現・協会けんぽ)
・健康保険組合
・国民健康保険
まずは、定年前にご自分がどの健康保険だったのかで、定年後に選択できる進路が変わってきます。
簡単に言えば、政府管掌健康保険というのは、一般のサラリーマンが所属している健康保険です。
健康保険組合は、少し大きめの企業やグループに勤めていたサラリーマンが所属している健康保険です(もちろん大企業でも、政府管掌健康保険の場合もあります)。
国民健康保険は、それ以外の人、つまり、サラリーマンではない自営業者や一部のサラリーマンが所属している健康保険です。
国民健康保険に加入しているほとんどの人は、サラリーマンではないわけですから、そもそも定年という言葉がありません。
つまり何も変わりません。今まで通りに健康保険料を支払っていくわけです。
問題は、政府管掌健康保険と健康保険組合に所属していた人です。
当然、仕事の定年とともに健康保険も定年になるので、今までの状態は変化してしまいます。大きく分けて4つの進む道があると思ってください。
・任意継続被保険者になる
・国民健康保険の退職被保険者になる
・家族の健康保険の被扶養者になる
・特例退職被保険者になる(特定の健康保険組合に加入していた場合)
今は、それぞれがどんな内容なのか知る必要はありません。
ここで一番押さえておきたいポイントは、どのコースになっても健康保険には加入しなくてはならないこと、もちろん健康保険料を納める必要があるということです。