老後、少しでも楽になるようにお金を貯めておきたいけれど、いったいいくら準備すればいいのか……こうしたとき、たとえばファイナンシャルプランナーに相談しても明確な答えは返ってきません。そこで、『定年までに知らないとヤバイお金の話【最新版】』(彩図社)著者でファイナンシャルプランナーの岡崎充輝氏が、自身の“目標貯金額”の導き方を解説します。
「定年までにいくら貯めればいいですか?」の疑問を解消!自分の“目標貯金額”がわかる〈収支シミュレーション〉の作り方【FPの助言】
あなたの定年までの“目標貯金額”は、専門家でも答えられない
定年までに誰もがすべき「4つ」の方法
定年後にできることは、定年前でも充分できます。むしろ、なるべく早く取り組んだ方がいいこと、と思っていただければいいのではないでしょうか。
本記事を読まれている方の中には、当然定年した人も、定年直前の人も、定年まで数年あるという人もいらっしゃるでしょう。その人の状況によって読み方は変わりますが、対策は変わりません。というより、じつは対策なんてそんなに数多くないんです。
・定年までの目標貯金額を決める
・住宅ローンの繰上げ返済を考える
・無駄な保険を見直す
・資産運用を考える
たったこれだけ。意外と思う人もいるでしょうが、この4つはかなり強力な方法ですので、順番に見ていきましょう。
定年後は、収入が支出を下回る可能性が大きいです。それが分かれば、「定年後どれぐらいのストック(貯蓄)があればいいのか?」という現実的な話になりますよね。
しかし、意外とこういう考え方を知らない人が多いのです。相談にみえる人から、よく「定年までにどれくらい貯金があるといいですか?」と質問されるケースがあるのですが、実際はフワっとしたことしかお答えできません。
なぜなら、家族構成も違えば、年金額も違う、生活レベルも違えば、住宅ローンの有無も違うわけです。ですから、定年までにいくらの貯蓄があった方がいいかは自分で導き出すしかありません。
定年までの貯蓄額が可視化できる「収支シミュレーション」の作り方
そんな時は、下のような表をつくることをおススメします。
1.収入
まずは、ご夫婦それぞれの年齢を横軸に書いていきます。ここでは、ご主人の方が奥さんより2歳年上としましょう。
その次に、年金を書き入れていきます。そしてここで、60歳以降の年金以外の収入を書き入れていきます。
まずは、60歳以降の5年間、嘱託社員で働くと仮定します。60歳から10年、毎年40万円もらえる個人年金保険に加入していたとします。ここまで書いて合計の金額を出せば、時系列的に定年後の収入が見えてきます。