1986年にテレビドラマが放映されて以来、多くのファンに愛されてきた『あぶない刑事』シリーズの最新映画『帰ってきた あぶない刑事』(原廣利監督)が5月24日(金)に公開されます。1987年の劇場版第一弾から制作宣伝、96年からはプロデューサーとして『あぶ刑事』を世の中に送り出してきた近藤正岳さんにお話を伺いました。
BMWのオープンカーで登場するタカ&ユージ
――『あぶ刑事』と言えばタカ&ユージが乗っている「レパード」ですが、冒頭でタカ&ユージが乗っていたのはBMWのオープンカーで意外でした。
近藤:あれは監督のこだわりで、最初からレパードに乗る筋書きもあったのですが、2人の表情をちゃんと撮りたかったのでどうしてもオープンカーにしたかった。車種とかそういうことよりも、こだわったのはオープンカーです。2人が乗って、後ろに「娘かもしれない」女性を乗せるということで、2シーターではなくて後ろにも人を乗せることができるオープンカーを探してあれになりました。
――BMWが登場したのは初ですか?
近藤:初めてだと思います。
――レパードも登場しますが、撮影用に取っておいてあるんですか?
近藤:撮影用というより、レパードは「あぶない刑事」のファンのオーナーさんがたくさんいらっしゃって作品の都度条件の合う方にお借りしているんです。皆さんきれいな形で乗られていて、横浜でやったパレードでも9台が集まりました。オーナーさんたちが自ら運転しました。
初公開!タカ&ユージの居住スペース
――タカ&ユージが住んでいる探偵事務所もオシャレでした。2人はプライベートを見せないイメージだったので珍しいというか、「あれ?」と思ったのですが……。
近藤:「珍しい」というか、プライベートはこれまで一切描かれていませんでした。今回は探偵事務所と住居が一緒という設定なので、今までにはない要素かもしれませんね。
――それは何か意図があるのでしょうか?
近藤:鷹山と大下の過去の人間関係にも踏み込んでいるのでプライベートを垣間見せるというのもありかなと思いました。設定としては優作さんの『探偵物語』は意識しましたね。だからと言って2人の個室は見せず、いわゆる共有スペースのリビングしか見せていないですね。
(後編に続く)
8年ぶり新作『帰ってきた あぶない刑事』
軽妙なトークと激しいアクションでほかの刑事ドラマとは一線を画すオリジナルな世界観で世代を超えて愛されてきた「あぶ刑事」シリーズ。本作は2016年の映画『さらば あぶない刑事』から8年ぶりの新作で、定年退職して刑事を引退し、ニュージーランドで探偵として第二の人生をスタートさせたタカ(舘さん)&ユージ(柴田さん)が、8年後にヨコハマに戻って探偵事務所を開業するシーンからスタート。記念すべき依頼⼈第1号としてタカ&ユージの前に現れたのは、「ふたりの娘!?」かもしれない彩夏(土屋さん)という女性だった……というストーリー。
配給:東映
コピーライト:(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会
近藤正岳(こんどう・まさたけ)
株式会社セントラル・アーツ 映画「あぶない刑事」プロデューサー。1960年生まれ。83年、大学卒業後、東映株式会社に入社。映画『ビー・バップ・ハイスクール』『あぶない刑事』などの制作宣伝を担当。96年からは企画製作部プロデューサーとして、『あぶない刑事フォーエヴァー』はじめ、『スペーストラベラーズ』『69sixty-nine』『僕たちは世界を変えることができない』『苦役列車』『さらば あぶない刑事』『終わった人』等、数々の作品を世に送り出す。本作のノベライズ(講談社刊、5月24日発売)も執筆。