「中間管理職」と言うと、「上司と部下の板挟み」「気苦労が絶えない」などのイメージを抱く人が少なくないのでは? 「中間管理職」で検索するとサジェストで「無理ゲー」「ストレス」という言葉が登場し、中間管理職でストレスを感じている人が少なくないことがうかがえます。ところが、7月31日に最新エッセイ『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』(新潮社)を上梓したばかりのお笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんは相方の澤部佑さんについて「澤部はストレスを感じていない中間管理職」とキッパリ。岩井さんが澤部さんを「幸せな中間管理職」と評する理由について伺いました。
澤部は「中間管理職」というステージで輝いている
――2023年1月にスタートした『ぽかぽか』もあっという間に1年半が過ぎましたね。MCということで大変なこともあると思うのですが……。
岩井勇気さん(以下、岩井):僕はMCというか、好きなことを言っているだけなので……。でも澤部は中間管理職みたいな動きをずっとしているなと思います。生き生きとやっていますよね。
――めちゃくちゃ幸せな中間管理職ですね。
岩井:そうなんです。ストレスを感じていない中間管理職なんです。
――「中間管理職」で検索すると次のワードに「しんどい」「板挟み」とかあがってきて、みなさん苦労されているんだなあと思うのですが、澤部さんを見習えばいいのでしょうか?
岩井:見習うというか、澤部は中間管理職をアイデンティティとしている人なんです。中間管理職がうまいことを自覚していて、誰よりもうまくできると自覚しているんです。
――岩井さんは、澤部さんのどんな部分がうまいと思っていらっしゃいますか?
岩井:澤部は「俺が輝くところはここだ」って思っている。ボケたい人にボケさせることができるんです。大御所の人がボケたときに、その人が欲しがっているツッコミをすることができる。
「自分はこれがいいんだ」とツッコミをするのって中間管理職がやることではないと思うんです。それって中間管理職になれていない。その人が一番気持ちのいいツッコミをするのが中間管理職の役割だと思うので、澤部は空気を読んでその人が一番気持ちいい答えを出すことができることに優れているんだと思います。
――なるほど。あまり自分を出し過ぎないということでしょうか?
岩井:そうですね、でも澤部は自我を持っていないわけではないんですよ、自我が中間管理職なんです。自分のアイデンティティはこれだって提示することができなくて、澤部はアイデンティティが中間管理職なのですごく気持ちよくやっていると思います。
――澤部さん自身が中間管理職なんですね。
岩井:多くの人は、「自分はこのステージで輝くぞ!」と思ったり、「この会社で輝くこと」を目指したりしているからしんどいんですよね、きっと。だったら、「俺は中間管理職で輝くぞ!」と中間管理職で輝く人間を目指すべきじゃないですか? 澤部は中間管理職というステージで輝いている。きっとみんな混同しているんですよね。
――岩井さんはどんなスタンスで仕事をしていますか?
岩井: 僕は仕事をしているとあまり思っていないんです。『ぽかぽか』出てふざけているときも、仕事というか遊んでいるような気持ちでふざけています。