年金制度の矛盾に、日本の高齢者「ふざけるな!」
年金支給額は毎年変わりますが、令和6年4月分からは令和5年度から原則2.7%の引き上げとなりました。これで高齢者の暮らしが楽になるかといえば、そんなことはなく、物価上昇分を下回るため、実質年金は減額。インフレの前に、年金生活者は非常に厳しい生活を強いられているといえるでしょう。
さらに年金に関しては、2040年代には、現在の水準よりも2割ほど目減りすることは既定路線。少子高齢化の進み具合や年金財政によっては、さらに厳しくなることが予想されます。
今後ますます厳しくなる、年金事情。そのようななか「死ぬまで働くしかない……」というのは、決して大げさなことではないのです。
そこで「年金を受け取りながら働く」という環境を整備。65歳以上で老齢厚生年金を受け取りながら働いている場合、在職中であっても毎年1回年金額の改定がおこなわれるようになり、納めた保険料によって年金受給額が毎年増えるように。
一方で「納得がいかない」という声が多いのが、「在職老齢年金の支給停止」。これは「月収+年金月額が50万円(令和6年度)を超える場合、所定の計算式(<総報酬月額相当額+基本月額―28万円>×1/2)にしたがって、年金額の一部または全額が支給停止となるもの。
実際に支給停止となるには、相当稼ぐ必要がありますが、働く高齢者の2割弱が年金カットの対象になるとされています。
――高齢者でも働かないと暮らしていけないのに、働きすぎると年金カットって……ふざけるな!
そんな憤りの声が大きくなっています。
人手不足がいわれているなか、その補填として高齢者に注目する一方で、働きすぎると年金がカットされてしまうという矛盾。それに対して、年金カットの基準を引き上げたり、そもそも制度を見直し、または廃止の議論もされているものの、今のところ結論は出ていません。
[参考資料]