家庭や人間関係において、自分以外のことばかりを優先し、自分のことが後回しになる、という経験をしてきた人も多いのではないでしょうか。しかし、60歳を超えた残りの人生は、これまでできなかった分、自分ごとを優先する人生を送ってほしい。そんな思いが詰まった、エッセイストの草野かおる氏の著書『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』より、今よりちょっと「心地よい生き方」ができるマインドセットを見ていきましょう。
人間関係で悩まない老後にするために…「嫌いな人」との付き合い方で“絶対にやってはいけないこと”【60代の人気エッセイストが助言】
「嫉妬」がやめられない
ともかく困ったことに、親族や友人関係、仕事の場面でも、自分に近い相手にほど嫉妬を感じてしまう。手の届かない人、有名人が何をしようと関心がないのに、近しい人間の成功などに、人間は非常に弱いのです。
「自分は自分、人は人」と言われても……自分の中に、嫉妬心がドロドロ渦巻いてくるのです。嫉妬の気持ちは「欲望の表れ」。嫉妬心は醜い感情だと言われがちですが、「もっと良くなりたい!」と思う気持ちの表れなのです。
そう考えると、自分も対象の相手も冷静に見られます。
「諦め」も人生には必要
世の中には「ネバーギブアップ」のように「諦めるな」、「諦めたら、そこで終わりだ」と鼓舞する言葉が氾濫しています。
自分自身はネバーギブアップの精神でも他者に対しては、そういうわけにはいきません。どんなに変わって欲しいと思っても、他人はなかなか変われません。他人がすることは、私たちには何ともできません。そんな時には諦めるしかありません。
上手に諦めれば、イライラから解放されます。諦めることで、自分が無駄にしている時間やエネルギーを減らすことができます。自分のことに集中できます。
「諦め」を上手に使いましょう。
草野 かおる
イラストレーター