子どもが中学生になると、周りでスマホを持ちはじめる友達が増えることから、自分も欲しいとねだられる家庭は多いです。そのようなとき、家計の支出として軽視できない通信費について、子どもに理解させるためにはどのようなに答えるとよいでしょうか? 本記事では、FPオフィス ライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏の著書『FPママの親と子で学ぶお金のABC:13歳からのマネーのレッスン本!』から、中学生の子どものスマホ利用について解説します。
中学生になった子どもに「スマホ欲しい」と言われたら…〈買ってあげる場合〉のFPママによる回答 ※画像はイメージです/PIXTA

「スマホが欲しい」と言われたら?

子「もう中学生なんだから、スマホ買ってくれない? 友達はみんな自分のをもってるよ」 

 

親「みんながもっているから、じゃ買えないな。中学生がスマホをもつ理由をいえる?」  

 

子「スマホが必要な理由はね、子どもだけで出かけるから。友達と駅で待ち合わせするし、塾が終わる時間も遅いし」  

 

親「外出時の連絡手段としてスマホが必要ってことね。動画を見たり、長電話でおしゃべりしたりはしない?」  

 

子「うん、外で動画とかは見ないし、長い時間おしゃべりしないよ」  

 

親「だとしたら、データ量は少なくても大丈夫だね」  

 

子「データ量って?」  

 

親「データ通信量のこと。ギガバイト(GB)という単位で表すよ。メールやLINEで連絡したり、ネット検索ぐらいなら、1GBか3GBのプランで十分。音楽をダウンロードしたり、動画を見るなら20GB以上やデータ無制限というプランもある。もちろん料金は高くなるけど」

 

子「動画は家でタブレットで見るから、スマホでは見ない。通話も家族と、親しい友達だけだよ。通話のお金もかかるの?」

 

親「もちろん、通話料はかかるよ。たとえば、30秒22円、1回10分まで定額プラン月額〇〇円とか、かけ放題プラン月額〇〇円などがあるよ。LINEなどのアプリで通話するなら、データ通信量は消費するけど、通話料はかからないよ」

 

子「アプリで通話?」

 

親「そう、アプリを通じて友達になっている人となら、アプリで話せる」

 

子「じゃあ、通話かけ放題プランはいらない。料金はどこもだいたい同じでしょ?」

 

親「会社によって全然違うよ。たとえば『大手キャリア』と呼ばれる、自分で通信回線をもっている通信会社のスマホの料金は高いの。格安スマホは大手の回線を借りているから、混み合う時間は、通信速度が遅くなる場合があるよ。あと大手の場合は店舗(で、手続きや故障の対応もしてくれるけど、格安の場合は店舗がないから、自分でインターネットで手続きが必要になる」

 

子「メリットとデメリットがあるんだね。高い会社と、安い会社って、どれくらい料金が違うの?」

 

親「3GBで比べると、だいたい月3000円ぐらい違うよ。セット割引とか、長期利用割引とか、いろんな割引があってわかりにくいけど」

 

子「すごい違うね〜。3000円あったら、カラオケ1回行ける(笑)」

 

親「月3000円×12か月、1年で3万6000円。仮に、14歳から84歳までの70年だったら約250万円も違う。差額を運用したら、もっと増えるかも」

 

子「ちりつも、だっけ?」

 

親「そう、『ちりも積もれば、山となる』だよ。さすが、ママの口ぐせ、覚えてるね。ウチはサブブランド(大手キャリアの安いブランド)で、パパとママの分のスマホ2台の基本料金と通話料、Wi‒Fi、光テレビ、光電話もセットで加入して月額1万円くらいなの」

 

子「できれば、1人1台欲しい……」 

 

親「1人で出かけることがあまりないから、妹とふたりで1台で」

 

子「ちぇっ、しょうがないな」