株式投資をする際には、「いつ・いくら買うか・売るか」といったこと決断をしなくてはなりません。正しい決断をして儲けを得たいと思うのは誰でも同じですが、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏は「株式投資に100%正しい決断はない」といいます。その理由について解説します。
バフェットやソロスだってミスをする…「株式投資に100%正しい決断などない」と言い切れるワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

決断のための判断材料が多すぎる

株式投資では、何らかの決断をする際の判断材料が多すぎるため、100%正しい決断などありえない、といえます。私たち投資家は、買うか否か、売るか否か、売買価格はいくらか、売買量は何株か、といったことを決断しなければいけません。

 

そしてそのために、PER、PBR、配当利回り、過去の業績、未来の予想、ビジネスモデル、市場の環境、自分の資金やポートフォリオのバランス、といった本当に多くのことを判断材料として決断を下します。しかし、そんな判断材料が多すぎるため、100%正しい決断などできないというのが、現実ではないでしょうか。

 

例を挙げてみます。ある指標で見ると、A社の株は「買い」だとします。しかし別の指標で見ると、買うのは危険かもしれません。また、買うとしても、ある指標では1,000円以下で買うのが安全だと考えられるけど、別の指標では800円以下で買わないと危険だと考えられるかもしれません。このように、決断のための判断材料は、あまりにも多いのです。

 

過去を単純に参考とすることができない

そして、過去を単純に参考とすることができない、という点も100%正しい決断などありえないことの理由となります。常に状況は変化しており、一度訪れた状況が二度と訪れないのが、株式市場なのです。

 

「こういうとき、こういう銘柄は上がる(下がる)」「こういうとき、株式市場全体は上がる(下がる)」といった経験則をお持ちの方もいるかもしれませんが、それは常に再現されるわけではなく、あくまで「そうなる可能性が高い」という話でしょう。また、「いつ」そうなるかは、誰にも予測できないでしょう。

 

ゆえに、過去にある方法でうまくいったからといって、それが「今、この状況」で同じように通じるかどうかも、不確実となります。前より利益が少なくなるかもしれませんし、損失を被るかもしれません。または、前より大幅に大きな利益を得るかもしれません。過去を単純に参考とすることができず、明確にパターン化できる「必勝法」などないのが、株式投資なのです。