「女房が先に逝っちゃったら……」岩城滉一が考えたこと

――岩城さんと言えば、ワイルドでアクティブなイメージがあったので今回の健二のような役はこれまでとは違った面が見られた気がしました。

岩城滉一さん(以下、岩城):家だと健二のような人間ですよ、僕。女房(結城アンナさん)と一緒のところを見たらわかりますよ。だから、今回も脚本を読んで、「僕が健二と同じ状況・立場になったら、どんな健二になるんだろう?」というところから入りました。

だから、20代の頃と今とを比較して振り返ってみれば、「あの頃と生き方変わったなあ」と思うし、世の中でいろんな知恵をつけてきたり、家族のありがたさを知ったり、女房の大事さをわかったりして、そういう中で人間て変わっていくんですよね。

僕は50年近く女房といるわけだけれど、やっぱりリスペクトするところはたくさんあるし、「この人じゃなかったら俺どうだったんだろう?」とかいろんなこと考えると、大事にしていかなければいけないなって思いますね。まあ、当たり前のことを当たり前のようにやって生きてきたってことだけなんですけれど……。

――健二と重なる部分がありますね。

岩城:そうですね、健二は最愛の女房を亡くしてしまったけれど、僕も「万が一、女房が先に逝っちゃったらどうするんだろう?」と思いました。そして「僕が健二だったらこうなんじゃないかな」と思って演じたのが今回の役だと思います。

(C)2023『ラストターン』製作委員会
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