予想以上の高業績・低業績、増配・減配、新製品の開発、社内の不祥事の発表など、株価を上下させる「材料」が出たときは、何に気をつけて売買すればよいのでしょうか。また反対に、材料がないのに株価が上下する場合と併せて、「材料があり、株価が上下した場合」「材料がなく、株価が上下した場合」それぞれに気をつけるべきポイントは何か、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、投資初心者に向けて、詳しく解説します。
予想外の業績、配当、新製品開発、不祥事…株価が上下する〈材料〉に対して投資家がとるべき「適切な対処法」とは【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

材料がなく、株価が上下した場合

一方、何の材料も出ていないのに保有している銘柄の株価が大きな変動を見せることもありますが、この場合はそれを気にしないことが重要でしょう。

 

株価というのは、市場に参加する投資家の様々な思惑によって日々変化しています。そしてそれは時に、大きな変動幅となったり、長期にわたる変動になることもあります。したがって、それは予想の難しい摩訶不思議な現象ともいえますので、それに惑わされることはないのです。

 

保有銘柄が材料もないのに謎の値下がりをしても、気にすることはありません。資金に余裕があれば、ナンピン買いをしてもよいでしょう。自分がその銘柄を買ったのが間違いだったと気づいたとき以外は、売る必要はないでしょう。

 

保有銘柄が材料もないのに謎の値上がりをしたときは、有頂天になって買い増しすることは控えましょう。謎の値上がりなので、それに付き合うのは危険だからです。そして、異常に高くなっていると思うならば、むしろ売って現金化しておく方がよいでしょう。

 

また、保有していない銘柄の謎の株価の上下は、ともに今の株価が適正か否かを判断して買うか否かを決めるべきでしょう。保有していない銘柄が謎の値下がりをしているのを見つけた場合、その時点での株価が適正以下と思えるならば買いのチャンスかもしれません。一方、保有していない銘柄が謎の値上がりをしている場合、その時点での株価が適正以上と思えるならば、それにつられて買うのは危険でしょう。

まとめ:何に気をつければよいかは、ケースバイケース

予想以上の高業績、増配、新製品の開発などの好材料が出て株価が上昇した銘柄を見つけた場合は、とにかく早く買うことに気をつけるべきでしょう。ただし、もともと割高傾向にあった銘柄を買うことや、買うのが遅れて好材料の分が株価に織り込まれたタイミングで買うことは、危険です。

 

保有している銘柄において、予想以上の低業績、減配、社内の不祥事などの悪材料が出て株価が下落した場合は、とりあえずそこからの回復の可能性を考えるべきでしょう。そして、回復する可能性によって売り方を変えるとよいでしょう。なお、保有していないそのような銘柄を見つけた場合は、下がりすぎたタイミングが買いのチャンスとなりそうです。

 

一方、何の材料も出ていないのに保有している銘柄の株価が大きな変動を見せることもありますが、この場合はそれを気にしないことが重要でしょう。また、保有していない銘柄の謎の株価の上下は、ともに今の株価が適正か否かを判断して買うか否かを決めるべきでしょう。

 

 

川合 一啓
株式会社ソーシャルインベストメント
取締役CTO