職場の人間関係において、上司と部下の間で価値観や言動に「世代間ギャップ」が生じるのは致し方のないこと。親子ほど年の離れた「Z世代」の部下との距離感をつかむには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』(サンクチュアリ出版)より、自身もZ世代である、株式会社OMOCHI代表取締役である白附みくる氏が解説します。
「仕事に興味がない」Z世代部下への効果的な接し方
仕事ですから、好きなことばかりをしているわけにはいきませんよね。
「この人は、どう見てもこの仕事に興味がなさそうだな……」と思っても、取り組んでもらわなければいけないことも多いでしょう。
Z世代の部下に興味のなさそうな仕事をしてもらうとき、わたしの場合は、「その人が好きなこと」に紐づけて話すようにしています。
つまり、スポーツが好きな人なら、スポーツを事例にして説明するのです。たとえば、お客様への提案内容を考えてもらうときには、こんな話をします。
「そもそも企画を提案することって、スポーツのトレーニングメニューを考えることと似ていない? この人にとっての最善のプランは何かを考えることは、オーダーメイドのトレーニングメニューをつくることと同じだから、これができるようになるとお客様に喜んでもらえるよね。いい提案ができるようになれば、どんどん仕事がおもしろくなるよ」
料理好きな人に対しては、こんな話をすることもあります。
「企画の提案と、料理のメニューを考えることって似ていると思うんだよね。冷蔵庫の食材を組み合わせて何をつくろうかと考えることは同じなの。それができるなら、企画を考えることもできるはずだよね。
考えられるようになったらもっと幅が広がりそうだし、企画内容をお客様が喜んでくれるんだよ。料理を誰かのためにつくろうと思ったら、気持ちが変わるよね。誰かを思いやれる人になったら、絶対に素敵な奥さんになると思うんだよね。がんばって、結婚相手をゲットしようよ!」
興味のないことに少しでも気持ちを向けてもらうには、まずは相手に合わせることが大切です。その人が好きなことに紐づけて話をすれば、相手も「やってみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか。
相手が興味を持っていないことに関心を持たせようと思っているなら、まずはこちらから、相手に興味を持ってみませんか?
相手が何を好きなのかを知ることは、信頼関係を築くための大切な一歩です。上司として、まずは部下に興味を向けてください。
白附 みくる
株式会社OMOCHI代表取締役