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2月に入り住宅ローン金利が上昇
利下げへの期待から、昨年末以降は右肩下がりに推移していたアメリカの住宅ローン金利が、2月に入りわずかに上昇しています。
22年以降、政策金利引き上げに連動して上昇を続けていた住宅ローン金利は、23年11月をピーク(30年物7.79%、15年物7.03%)に下降し、24年1月末には30年物が6.64%、15年物が5.90まで低下しました。しかし、2月に入ってトレンドが変わり、2月14日時点で30年物が6.77%、15年物が6.12%まで上昇しています。
これを受け、好調だった新築住宅の建設着工にもブレーキが掛かっています。例年以上の降雪の影響も重なり、住宅着工件数は前月比14.8%減少。月間変動率は、2020年4月以来、4年弱ぶりの減速となりました。
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CMEのFedWatchツールの予測値は、1ヵ月で大きく変動
住宅ローン金利が上昇した主たる要因として挙げられるのが、予想以上に好調だった1月の雇用統計と、それを理由にした利下げの先延ばし予想です。
雇用統計によると、非農業部門雇用者数の合計は35万3,000人増加し、失業率も3ヵ月連続で3.7%をキープしました。市場は、このデータが連邦準備制度(Fed)の政策決定に影響を及ぼすと判断。3月のFOMCで開始が宣言されるのではと期待されていた利下げですが、後ろ倒しになる見込みが高まりました。
これは、政策金利に対する市場参加者の期待をリアルタイムで反映するCMEのFedWatchツールにも明確に表れています。3月20日のFOMCで決定される政策金利に対する予測値は、1月19日時点では現状維持が52.9%、0.25ポイントの利下げが46.2%、0.50ポイントの利下げも1.0%とわずかながらありえる予想でした。1ヵ月経った2月19日現在の予測値は、現状維持が89.5%、0.25ポイントの利下げが10.5%と、利下げが開始される確率は1割ほどにまで下がっています。各種市場に大きな影響を与える政策金利。その動向から目が離せません。