62歳夫を亡くした60歳専業主婦「遺族厚生年金を受け取れない」に悲鳴「そんな、まさか?」…注意すべき年金の落とし穴

登場人物
・ゆめこさん(以下、ゆ)……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。

・ワイ(以下、ワ)……ゆめこさんの白い飼い犬。お菓子好き。ミーハー。

・ウスイ サチコ(以下、主)……今回の主人公。60歳で夫に先立たれ、独身となった。

主:私の名前はウスイ サチコ、今年で60歳になるわ。(2023年時点)

私の夫は大学時代に一級建築士の資格試験に合格して、新卒で建築会社に就職。2年の実務経験を積んだのち一級建築士の免許を取得し設計士として活躍したわ。

24年半経験を積んだ後、46歳で会社から独立。それからはフリーランスで住宅の設計やビルの設計などを色々手がけてきた。

夫から「独立したい」と打ち明けられたとき、私としては収入が安定している会社員をつづけて欲しいと思ったわ。子どもも2人いるし……。でもやりたいことに挑戦する姿勢は素晴らしいと思ったから、反対はしなかったの。

ふたを開けてみると、そんな心配は杞憂だったわ。夫の努力のおかげで会社員時代以上に豊かな暮らしができた。子どもたちを無事に大学まで出すことがかなって、今じゃ2人ともやりたいことを仕事にして、結婚して家庭をもってるわ。

ワ:順調な人生だね!

主:そうね、そう思っていたわ。なのにまさかあんなことになるなんて……。

ワ:サチコさん大丈夫? 何があったの……?

主:まさに青天の霹靂だったわ。

夫が60歳を迎えて仕事を引退する時に、老後資金について話し合ったの。夫はフリーランスで個人事業主だったから年金は会社員の人より少ない。だけど、それを見越して2人でコツコツ貯金してきたの。私たちは資産運用なんかはやっていないけど、夫と2人「何とかやっていけそうね」って笑い合っていたわ。

でも……翌年の61歳のとき、人間ドックで胃がんが判明したの。

進行が早くて、治療の甲斐もなく、1年後にはそのまま……。

ワ:サチコさん……辛かったね。

ゆ:旦那さんを亡くしたショックと、これから先の生活への不安が重なっているであろうご心労が計り知れないです。

主:ええ、そうなの……。

私は大学を卒業して地元の企業に就職した後、すぐに結婚して子どもができて、産休をとらずにそのまま退職したの。以来、ずっと専業主婦をしてきたわ。

だから、私の年金はスズメの涙……。年金だけじゃとても暮らしていけないから、貯金を切り崩さなきゃいけない。まとまった支出があるときだけでなく、普段の生活費で貯金を使っていたら、あっという間に残額は0円になってしまうんじゃないかと心配しているの。

ワ:あれ? 旦那さんが亡くなったときは遺族年金がもらえるんじゃない?

主:私もそう思ったんだけど、遺族年金がもらえない可能性があるって友人が教えてくれたの。