「103万円の壁」や「130万円の壁」という言葉、働かれている方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。現役世代の方にとっては切っても切れない壁の存在ですが、実は年金生活でも意識しなければならない壁があります! そこで今回は「勝ち組会社員は要注意!211万円の壁で泣く人はこんな人」というテーマでお送りします。
平均年金月17万円…現役時代の給与額は?
登場人物
・ゆめこさん……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。全文太字部分
・おじさん(以下、解説)……解説担当。
・ワイ(以下、ワ)……ゆめこさんの白い飼い犬。お菓子好き。ミーハー。
日本の公的年金は、国民年金と2階建てとなっていることは聞いたことがあるかと思いますが、自分が受け取れる年金額の計算方法をご存じですか?
ワ:知らない! 教えて~!
ちょっとややこしい計算になりますが、こちらの式をご覧ください。
・厚生年金の年間受給額は「①平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数」と「②平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数」
を足すと分かるんです! ご自身の年金受給額が分かるとこのあとのお話も理解しやすいので、みなさんもぜひ一度は計算してみてください!
ワ:計算がめっちゃ難しいねえ
日本の年金制度は、会社員や公務員は厚生年金として2階部分も受給できるけど、国民年金は一律だから満額以上に増やすことは基本的にできないんです。
一方、厚生年金の2階建て部分は現役時代の収入によって変わります。上限はあれどもたくさん稼いできたいわゆる「勝ち組会社員」ほど、年金の受給額も増えるということになるんです。
ワ:たくさん稼いだ分が年金で返ってくるのは嬉しいよね!
お:ちなみに厚生労働省の調査によると、65歳以上の厚生年金受給者の平均年金月額は男性で17万円ほど。
国民年金を満額受給しているものとすると、厚生年金部分は10万6,000円ほどになる計算です。
ワ:厚生年金が占める割合の方が多いんだねー。
解説:このように月17万円の年金を受給できる人たちは、現役時代に平均年収530万円ほどだった計算になります。現役時代の平均年収は、大学卒業した人が60歳の定年まで働いたと仮定すると37年間の平均値のことを指します。
日本のサラリーマンが37年間働いたときの平均年収は480万円ほど。大卒に限ると平均年収は546万円となるので、先ほど計算した平均年金17万円受給している人の現役時代の年収に近くなります。
つまり、年金の平均値である月17万円を受給している人は、大学を卒業して平均以上の給与を受け取ってきた、いわゆる「勝ち組会社員」に限られてくると言えるんだね。
ワ:働いていたときの給与が平均以上の「勝ち組」じゃないと、年金の平均である月17万円をもらえないって、世知辛いなー
多くのシニアにとって老後な主な収入は年金です。できるだけ多く年金を受け取りたいと考えがちですが、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいて損をしてしまう場合も…。それが現役時代の平均年収が666万円ほどだった人たちなんです。
ワ:えー! どうしてたくさん稼いでいるのに、損しちゃうの?