家電や便利グッズを捨て、身の回りにある幸せを大切にし、自分のことは自分でやる。稲垣えみ子さん流の「3原則」を実践して家事がラクになると、予期していなかった“グレートな人生”が待っているといいます。今回は、稲垣さんの著書『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』から、「ラク家事人生」によって得られるものをご紹介していきます。
便利をやめると知恵や経験が蓄積され「自分が育つ」
自分で言うのもなんだが、こんなことができる人が、果たして現代においてどれほどいるだろうか? つまりは「便利をやめる」など言われるとどうしても、何か大きな宝物を手放さなきゃいけなくなるような心細さに見舞われてしまうけれど、本当はそうじゃないのだ。便利をやめたらその分、どうしたって自分の中に知恵や経験が蓄積されていくんである。
モノは思わぬことでいつ失われるかわからないし、災害グッズも時とともに劣化するけれど、知恵や経験は時とともに蓄積される一方である。
というわけで、私、台風が来ようがコロナで緊急事態になろうが、慌ててスーパーに走ったことも、走ろうと思ったことも一度もない。その必要が全くないのである。何があろうと平常通り。泰然自若。全く大人物になったものだ。
何が起きるかわからない時代において、何が起きても大丈夫とでんと構えていられることは、やってみればわかるが実にこれ以上の安心はない。ラク家事生活こそ実は最先端の暮らしなんじゃないかと密かに自負する今日この頃である。
稲垣えみ子