家電や便利グッズを捨て、身の回りにある幸せを大切にし、自分のことは自分でやる。稲垣えみ子さん流の「3原則」を実践して家事がラクになると、予期していなかった“グレートな人生”が待っているといいます。今回は、稲垣さんの著書『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』から、「ラク家事人生」によって得られるものをご紹介していきます。
「常時災害」生活状態なので、災害が起きてもビクともしない
そしてラク家事生活とは、災害があってもビクともしない生活でもある。
これは、少々意外に思われるかもしれない。だって、余分なものを持たないのがラク家事のキモであるわけですが、災害の多い昨今は「いざという時に備えて数日分の食料や生活必需品を備蓄しておけ」というのが世の常識となっている。実際、私の暮らす東京でも、台風など接近しようものなら、スーパーの棚から様々な備蓄品がごっそりなくなるといったことが実際に起きている。
で、改めて我が身を振り返ったわけです。こんなに何も持っていない私。普段は良くとも、災害があったらどうなっちゃうのかと。で、結論はすぐに出たね。何の問題もなし! いやむしろ、ラク家事生活ほど災害向きの生活はないということに改めて気づいたのだ。
何しろそもそも「便利」に頼っていない。私の場合はそこをとことん極めた結果、今の世界的エネルギー危機による電力高騰の時代にあっても電気代は月200円ちょっと、ガスはそもそも契約しておらずカセットコンロと銭湯で生きている、水道も月に1㎥しか使わない、つまりはそもそもライフラインに頼っていないのである。
となれば、災害に強いどころか「常時災害」生活である。災害でライフラインが全て途絶えようが、いつだって洗濯もできるしカセットコンロでメシも炊けるし掃除もできる。少なくとも一週間はフツーに家事をして、普通に生活できる。冷蔵庫も持っていないので、冷蔵庫の電源が落ちたとて何の影響もなし。食材はいつだって漬けたり干したりして常温で常備しているので世界がどう壊れようともストックには事欠かない。