朝は時間がないからご飯を食べないまま仕事に行く、という人も多いのではないでしょうか。しかし、NHK『きょうの料理』でもおなじみの医学博士・管理栄養士でもある本多京子氏は、「何を食べるかだけでなく、何をどのくらい、いつ食べるかが大切」と言います。本多氏の著書『60代からの暮らしはコンパクトがいい』(三笠書房)より、詳しく見ていきましょう。
朝食後に夕食の「下準備」をしておくのがコツ
さて、1日の流れの続きに話を戻しましょう。
在宅のときは、朝食後に夕食の下ごしらえが終わったらパソコンでメールチェックや原稿書き。途中で掃除機をかけつつ、仕事をします。
昼食は12時半頃。メニューはいろいろですが、基本的に前日の夕食の残り物を使ってつくります。
たとえば夕食にささみのコーンフレーク揚げをつくるとしたら、翌日のお昼用に少し多めにつくっておくのです。そして翌日のお昼には、フランスパンにサラダ野菜や玉ネギのマリネを入れて、コーンフレーク揚げを包んでチリソースを少々かけてベトナムサンド風に食べます。これにコーンスープなどをつけて。
午後も仕事をして、夕食はいつもは6時半頃に孫を連れて保育園から帰ってきた娘たちと食べます。
夕食は朝食後に下準備ができているので、あとは味つけをしたり、つくり置きのおかずを加えているだけなので、時間はかかりません。
「脳のリズム」と「暮らしのリズム」を整える食習慣
ふつう「健康にいい食習慣」と言うと、「食べる順番に気をつける」とか、「よくかんでゆっくり食べる」などをイメージする方も多いようです。ですが、まずはここでふれたように、「脳のリズム」と「暮らしのリズム」を整えるために「食事の時間」を一定にすることが大切なのです。
私がおすすめするポイントは2点だけ。ひとつは「朝食は午前9時までにすませること」、もうひとつは、「夕食は午後9時までにすませること」です。このシンプルなルールだけで1日のいいリズムをつくることができますから、ちょっと面倒でもやってみて損はないはずです。
「食」を大事に考えると、毎日の生活がシンプルで、かつ心地よいものとなっていくのを実感していただけると思います。
本多 京子
医学博士、管理栄養士