60代の10人の1人が「犬を飼っています」

一般社団法人ペットフード協会『令和5年 全国犬猫飼育実態調査』によると、2023年時点、犬の飼育頭数は推計684万4,000頭。新しく飼われた犬は39万7,000頭でした。また60代の犬の飼育率は10.9%、現在は犬を飼っていない人で「(新しく)犬を飼いたい!」と考えている60代は6.1%でした。

そもそも、なぜ犬を飼いたいと思うのでしょうか。60代のトップは「日々の生活に癒しや安らぎが欲しいと思ったから」で48.8%。「家族内のコミュニケーションを増やしたいと思ったから」28.3%、「個々の健康を維持・改善できると思ったから」22.0%、「愛情をかける対象が欲しいと思ったから」20.5%と続きます。

そんな動機で飼い始めた犬。実際飼っていてどんな良いことがあるのでしょうか。60代で最も多かったのが「心穏やかに過ごせる日が増えた」で42.5%。続いて「毎日の生活が楽しくなった」40.2%、「気持ちが明るくなった」36.8%、「家族の絆が強まった」28.7%。飼い主の想いは、きちんと叶えられているようです。

仕事で忙しく、諦めていた犬との生活。しかし定年を迎えて時間の余裕ができた“いま”なら、その夢を叶えるチャンスです。ただ犬を飼う前に予め知っておかなければならないことは色々。そのひとつが「どれくらいのお金がかかるのか」ということです。同調査によると、1ヵ月あたり犬関連の支出額は平均1万6,156円。市販の犬主食用のドッグフードが平均3,964円、市販の犬おやつ用ドッグフードが平均1,883円でした。

犬の平均寿命は14.62歳。その生涯にわたって必要な費用は244万6,068円。また平均寿命は超小型犬では15.07歳、小型犬は14.29歳、中型・大型犬は13.86歳。生涯必要経費はそれぞれ、255万4,012円、238万2,200円、255万9,186円です。

思い立って犬を飼い始めても「家計が苦しい」というのは本末転倒。きちんと家族同様に迎え入れる覚悟とお金が必要です。