おひとり様高齢者…「将来の生活が不安」が7割

内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、2020年、65歳以上の高齢者がいる世帯は2,580万9,000世帯。全世帯の49.7%にのぼります。さらに65歳以上の1人暮らしは671万7,000世帯。そのうち男性は230.8万人、女性は440.9万人。人口に占める割合はそれぞれ15.0%、22.1%です。

1人暮らしのシニアは増加の一途を辿っていて、2000年、65歳以上人口に占める1人暮らしの割合は、男性で8.0%、女性で17.9%と、それぞれ5~7ポイントほど増加。さらに2040年、1人暮らしの割合は男性で20.8%、女性で24.5%になると予測されています。

高齢の1人暮らし。頼りになるのは自分ひとりだけなわけですから、やはり不安を覚えるのは「お金」のこと。金融広報中央委員会『令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、金融資産*を保有している単身者は60代で71.5%、70代で71.7%。その平均値は60代で1,960万円、70代で2,000万円、中央値でそれぞれ950万円、1,000万円でした。

*定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または 将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している 金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えてい る部分は除く

同調査では「老後の生活についての考え方」を聞いていますが、「心配である」と回答した60代は76.8%、70代は64.7%。すでに老後に突入した当事者ではありますが、6~7割が「心配」と回答しています。つまり将来に対して、人によって程度の差はあれど、将来に不安をいだいているわけです。ただ現役世代は「心配」が8割を超えていることから、「実際に老後を迎えたけど、心配するほどでもなかった」という人も一定数、いるようです。

老後の生活を心配する理由……60代、70代、ともに最も多いのが「十分な金融資産がないから」でそれぞれ72.1%、64.4%。続いて多いのも両世代共通で「年金や保険が十分でないから」で、それぞれ68.3%、61.5%。貯蓄や年金が十分でないこと、老後生活、心配の元凶です。