老いないために食べるべき食材とは、どのようなものがあるのでしょうか? 今回は、なぜ医師がナッツを家や職場に常備することを「おすすめ」するのか理由を見てみましょう。著書『総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方』(KADOKAWA)より、医師の舛森悠氏が解説します。
ナッツを食べると起こるさまざまな健康効果
ナッツを小分けにするまでの僕は、仕事中に口が寂しくなると、チョコレートなどのお菓子を口に入れていました。それをナッツに替えてみると、明らかに腹持ちがいいのです。ナッツは噛みごたえもあるので、満足感はチョコレートの比ではありません。チョコレートだと2つ、3つ……とつい手が伸びてしまうところですが、ナッツであれば1袋で大満足です。
ナッツには嬉しい健康効果が満載です。悪玉コレステロールの減少、中性脂肪の減少、心筋梗塞などの心臓の血管が詰まる病気のリスクの低下、そして死亡率そのものの低下が期待できます。
ナッツをほとんど食べない人たちと比較して、週5回以上ナッツを摂取する人たちでは、心筋梗塞または脳卒中のリスクが平均14%低下するとの調査結果もあります。
ナッツの種類は多様で、それぞれに固有の味わいや健康効果がありますが、僕が特に優秀だと考えているのはクルミです。多くのナッツ類の油脂は一価不飽和脂肪酸ですが、クルミに含まれるのは、青魚と同じ種類のオメガ3脂肪酸です。
植物由来のオメガ3脂肪酸は、全死因の死亡リスクを低下させる効果があることがわかっています。
舛森 悠
医師