青魚は健康成分たっぷりの超優秀食材

昨今、医療業界でも注目されている食材が青魚です。

僕が診療している病院は北海道の漁師町にあります。そのため「昔は漁師だった」という患者さんがたくさんいます。そうした背景もあって、この地域の人たちは魚をよく食べます。その食習慣が、この地域の健康に寄与しているかもしれないなと思うことがよくあります。

ところで、昔から「青魚を食べると頭がよくなる」なんてよくいいますよね。頭がよくなるかどうかの真偽は定かではありませんが、青魚はオメガ3脂肪酸という脂を多く含み、そのなかでもEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)という成分が豊富で、これらが健康によい効果をもたらすことがわかっています。

オメガ3脂肪酸には、血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐ作用があります。EPAは、中性脂肪を低下させたり、心臓の血管が詰まって発症する心筋梗塞などのリスクを25%も低下させたりする効果が示されています。

EPAやDHAを摂取することで、血圧が低下するとの論文もあります。EPAやDHAにおいては、多種多様なサプリメントが市販されています。しかし、僕が出会った元気な高齢の患者さんの中で、サプリメントのおかげで健康に過ごしていると思われる人はほとんどいない気がします。

EPAもDHAも、明らかな健康効果を得るには、市販のサプリメントではかなりの量を飲まなければなりません。EPAやDHAの過剰摂取は、便秘を起こしたり、不整脈が発生したりすることも指摘されており、米国食品医薬品局(FDA)では、EPAとDHAを合わせた摂取量を1日3gまでと勧告しています。できればサプリメントではなく、リアルな魚で栄養を摂取するほうがよさそうです。