食事を「魚中心」にするだけで心筋梗塞のリスクも下がる

魚はタンパク質が豊富で栄養価も高い、優秀食材です。肉に含まれる脂の多くはコレステロールを上げますが、魚の脂は逆にコレステロールを下げます。魚を週に4回以上摂取している人はそうではない人に比べて、心筋梗塞などの心臓の病気になるリスクが21%も低下しているというデータもあります。また、1週間当たりの魚の摂取量が100g増えるごとに、それらのリスクが5%ずつ低下することもわかっています。

日々の食事を肉中心から魚中心にするだけでも、中性脂肪を下げたり、将来的に心筋梗塞のリスクを下げたりといったことが期待できるということです。魚はあまり食べないという人でも、1週間に100ɡ食べるだけでも効果があると思えば試しやすいのではないでしょうか。

僕自身もほぼ毎日と言ってもいいほど、昼食にサバ缶を食べています。魚の脂は、日光に当たったり空気に触れたりすると酸化します。ですから缶に密封してから加熱する缶詰めは、効率よく脂を摂取できる点でとても理にかなっています。

ところで僕が暮らしている町では、傷みやすい青魚を長期保存するための昔ながらの方法が根づいています。それはぬか漬けです。

外来患者のKさんは、料理の知識が豊富です。「ぬか漬けは長持ちするし、魚にコクがでてうまいんだぞ!」と、魚の裁き方から丁寧に、秘伝のレシピを教えていただいたこともあります。

「魚ぬか漬け」でネット検索すると、レシピがいろいろ出てきます。切り身でもできますので、ぜひ試してみてはいかがでしょう。

舛森 悠

医師