月1万6,000円ほどの国民年金保険料。「そんなお金がない!」と払いたくても払えない人や、「年金なんて、バカらしい」とあえて払わない人まで、理由はさまざまですが、保険料の滞納者は200万人ほどもいるといいます。もし保険料を払わないでいると……みていきましょう。
年金機構から届いた「青い封筒」を放置…〈月収16万円の男性〉、1年後に起こる「とんでもない悲劇」

国民年金保険料…滞納者に届く「青・黄・赤」3種の封筒

1ヵ月の国民年金保険料は1万6,520円(令和5年4月~令和6年3月まで)。月収16万円では、そのお金を工面するのも大変です。しかし、滞納者に対しては厳しい対応がされています。

 

国民年金保険料の納期限が7ヵ月以上経つと、日本年金機構から「特別催告状」が届きます。これは「国民年金保険料が未納なので、払ってください!」と伝えるものです。

 

最初にくる「特別催告状」は、薄い青色の封筒で送られてきます。しかしなかには、「年金⁉ そんなの関係ないね」と見ないまま捨ててしまったり、「払えといわれても、そんなお金はない! 見ないでおこう」と放置してしまう人も。

 

次に送られてくる「特別催告状」は黄色の封筒。前回よりも随分と目立つ色で「保険料を払ってください!」と主張してきます。封筒の色でプレッシャーをかけてくるわけです。

 

それでも保険料を払わないでいると、赤(ピンク)の封筒に入った「特別催告状」が送られてきます。この一連の流れ、まさに信号機と同じ。青はまだ余裕がありますが、黄色、赤と色が変わっていくにつれて危険な状況になっていくのです。

 

それでも保険料を払わないと、未納状態から1年7ヵ月~2年ほど経ったころに「最終催告状」が送られてきます。青の封筒の「特別催告状」から1年ほど経ったら、最終的に「これで最後ですよ」となるわけです。2022年には19万件近くが送付されました。

 

それでも未納が続くと、「督促状」が送られてきます。そこには延滞金がかかること、さらには財産の差し押さえについて書かれています。2022年には13万件近くが送られました。

 

そしてついに財産の差し押さえとなります。2022年には1万2,784件の差し押さえがありました。給与や預金等のほか、現金の場合はそのまま滞納分の年金に充当されます。動産や不動産は、換価処分のうえ、滞納分に充てられます。世帯主や配偶者も納付義務者と連帯して納付する義務を負っているので、自身は保険料を滞納していなくても、差し押さえの対象となってしまう場合があります。

 

「特別催告状」が届いたけど、保険料を払えない……そんなときは、年金保険料支払いの「猶予」や「免除」の手続きをするのが正攻法。「猶予」や「免除」の期間分の保険料に関しては、10年分まで遡り「追納」することも。年金保険料を支払わないと、将来の年金額は減ってしまいます。払える段階になって追納すれば、年金減額を防げるというわけです。

 

国民年金保険料が払えない……そんなときは放置せず、まずは最寄りの年金事務所や役所に相談してみましょう。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和6年度の年金額改定について』

厚生労働省『令和2年 国民年金被保険者実態調査』

​厚生労働省『令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況を公表します』