妻が激昂した、夫の「老後の夢」とは?
第1子誕生時の平均年齢は妻30.9歳、夫32.9歳。ちなみに第2子誕生時の平均年齢は妻で32.9歳、夫34.8歳、第3子誕生時の平均年齢は、妻34.1歳、夫36.0歳です。
これらの年齢から考えると、60歳の定年を前に子ども全員が大学等を卒業し独立。子育てから完全に解放され、これからは夫婦2人だけの生活を考えていく……というのが平均的な夫婦像でしょうか。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、50代後半、正社員の月収の中央値は39.1万円。上位25%で月51.8万円、上位10%で月66.4万円を手にしています。
上位10%の勝ち組であれば「老後は田舎にでも引越して、のんびり暮らしたい」などと、優雅に夢を語っている人もいるかもしれません。「老後を見据えて長野への移住を計画」と投稿する、60歳定年まであと5年という男性もそんな勝ち組のひとり。
男性にとって長野県は子どもが小さかったころによく家族旅行をした想い出の場所。
――毎日、地獄のような通勤電車。耐え続けて30年、老後は静かなところで暮らしたい
――(男性は大学時代に山岳部)長野に住んだら、毎日山登りし放題
――新幹線もあるし、何かあればすぐに東京にいけるのもいい
60歳で定年を迎えたあとは、再雇用でいま働いている会社で働き続けるつもりだといいますが、毎日出勤する必要はなくなるので、住宅ローンを払い終えた現在の住まいは売却し、生活拠点を移そうと画策中。地方移住に関する雑誌を眺めては、夢を膨らませているといいます。
そんな男性に対し、3歳下の妻の反応は?
――正月に「あとでちょっと時間ある?」といわれて
と男性。妻と3時間ばかりの話し合いをしたといいます。その内容というのが「夫婦の今後」について。長野への移住を実現したいという男性に対し、妻はヒートアップ。「それなら離婚します!」と強い口調でいわれたとか。
――いままで、さんざんあなた(夫)を支えてきた、いっぱい我慢してきた
――家族の思い出の場所という理由だけで、生活拠点を移すなんて考えられない
――老後まであなた(夫)の我がままに付き合いたくない、面倒をみたくない
というのが妻の主張。結局、離婚も含め、結論は先延ばしになったといいます。
株式会社ネクストレベルが既婚男女を対象に行った『地方移住意識の実態調査』によると、57.3%の既婚男女が「地方移住への関心を持っている」と回答。男女別にみていくと、地方移住に前向き(「移住してみたい」「移住するつもり」の合計)な男性は62.6%に対し、女性は52.5%。男女で10ポイント近くの差がありました。
また移住についてパートナー・家族と話し合ったかどうかに対して「はい」が51.8%、「これからしようと思う」が7.3%。本気度によっては「話す段階ではない」ということもあるでしょうが、どこか夫のほうが地方移住に前のめりになり、妻をおざなりにしてしまっている画が思い浮かぶでしょう。
株式会社Q.E.D.パートナーズが既婚者に対し行った調査によると、熟年離婚の可能性について、27.5%が「あるかも」、7.0%が「考えている」と回答。双方合わせると、3組に1組という水準です。
子育てもひと段落し、幸せな老後を思い描いている男性は、いまいちど、夫婦の関係を再確認しておいたほうがいいかもしれません。
[参考資料]