いつまでも一緒だよ、などと誓い合って夫婦になったふたり。年をとり、老人ホームに入居することになっても「夫婦同室がいい!」というのが望みかもしれません。そんな願いを叶えてくれる「夫婦で入居可」という施設もありますが、ときに「トラブルの火種」になることも。みていきましょう。
年金25万円・80代の仲良し夫婦…「死ぬまで一緒」と誓い〈老人ホーム入居〉も、妻が号泣「もう、無理」

死ぬまで一緒だよ…永遠を誓い合った「仲良し夫婦」だったが…

夫婦で老人ホームに入居する場合、1人で入居するよりも費用が抑えられるというメリットも。厚生労働省の資料によると、サ高住の平均費用は付14万0,241円。有料老人ホームでは18万9,982円。2人になると倍になるかといえばそうではなく、食費等は2人分となりますが、室料や光熱費等は1.2倍程度で収まることが多いようです。

 

70代の両親が揃って住宅型の有料老人ホームに入居したという、50代男性の投稿。両親は終活の一環として一戸建てを売却。ふたりの年金月25万円で入居できるホームを検討したところ、最寄り駅近くに、夫婦入居可の施設があり、すぐに決めたといいます。

 

昔から仲の良かった両親。「死ぬまで一緒」と老人ホームへの入居を決めたのは、男性としても納得だったといいます。ところが、入居から3ヵ月ほどたったある日、「母が泣きながら電話をかけてきた」といいます。

 

――もう無理、耐えられない!

 

興奮しているのか、最初は何を言っているか要領を得なかったといいますが、どうやら父と何かと喧嘩することが多くなり、「もう一緒にいたくない」ということのよう。

 

――70代にもなって……少々子どもじみた理由に呆れてしまった

 

と男性。しかし、老人ホームの2人部屋、広めのワンルームといった程度で、常にパートナーが近くにいる状況です。特に戸建て暮らしが長い人であれば、老人ホームで夫婦同室だと「プライベートな時間/空間がない」とストレスを感じやすいようです。夫婦別々にレクリエーションなどに参加して、お互いの時間を大切にできればいいのですが、社交的な性格でない場合、自室に引きこもりがちになり、一層ストレスを溜めてしまうことに。

 

――たまに息抜きをしにうちに遊びにおいで

 

と母親を誘いその場を収めたという男性。しかし、またいつ母親が泣きついてくるか……そんなことを考えると、ため息しか出ないといいます。

 

老人ホームに夫婦で入居。ほかにもどちらかが入院したり、亡くなったりしたら、経済的な負担が大きくなり、住み替えが必要になることも。老人ホームに夫婦で入居には「ずっと一緒にいられる」というメリットだけでなく、デメリットも。これらも十分に検討して、最良の選択をしたいものです。

 

[参考資料]

株式会社AlbaLink『老後の住まいに関する意識調査』

厚生労働省『サービス付き高齢者向け住宅等の月額利用料金』