私立中学を受験する子どもの割合は毎年増えていますが、特に地方ではまだまだ私立の学校の数も少なく、公立を選んで、受験はさせないという家庭も少なくありません。子どもを公立に通わせるなら「教育費」の負担軽減が期待できますが、油断していると危うい状況に陥ることも……。本記事では、Sさん夫婦の事例とともに、教育費の資金計画と生涯設計の考え方について、FP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。
子ども3人、全員「オール国公立」で有難いが…年収1,200万円の58歳部長「退職金2,500万円でも全然足りません」定年間際の焦燥【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

結婚年齢が比較的高い夫婦のマネープラン

いまのところSさんの父親にがんの再発は、ありません。Sさんの母親にはすぐ近くに弟(78歳)が住んでいますので、ときどき実家の様子を見てもらうように依頼し、Sさんの妻もいまではパートに復帰することができています。

 

長女は高校3年生で、受験を控えています。学校の成績はよいので、第1志望で国公立を目指していますが、長男と同様に他県の大学に通うかもしれない事態に備えておかなければなりません。

 

60歳で継続雇用制度を選択すると、年収は現在の1,200万円から3分の1程度になるということがわかっています。

 

「60歳以降、会社に残るか転職するか……」

 

このままでは、退職金から教育費を支払わなければならないかもしれません。

 

老後資金の準備ができないということはないと思われますが、結婚した年齢が比較的高いSさん夫婦の場合は、教育費のかかる時期と老後資金の準備、親の介護が重なることをもう少し早めに気づいておくべきだったでしょう。

 

Sさんは、父親ががんになったとき「親父が病気になるなんて、いままで想像したこともなかった……。自分もそういうことがこの先あるかもしれないんだ……」と痛感したそうです。

 

たとえばがん治療は、先進医療や、医療費の全額が自己負担となる自由診療を選択して、多額の治療費がかかるケースもあります。自分の命を採るか、学費を採るか、という選択を迫られるかもしれません。

 

お子さんにはまだお金がかかります。いま一度、病気やケガ、万一のことが起きたときの備えについて確認しておきましょう、とお伝えしました。

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP