結婚年齢が比較的高い夫婦のマネープラン
いまのところSさんの父親にがんの再発は、ありません。Sさんの母親にはすぐ近くに弟(78歳)が住んでいますので、ときどき実家の様子を見てもらうように依頼し、Sさんの妻もいまではパートに復帰することができています。
長女は高校3年生で、受験を控えています。学校の成績はよいので、第1志望で国公立を目指していますが、長男と同様に他県の大学に通うかもしれない事態に備えておかなければなりません。
60歳で継続雇用制度を選択すると、年収は現在の1,200万円から3分の1程度になるということがわかっています。
「60歳以降、会社に残るか転職するか……」
このままでは、退職金から教育費を支払わなければならないかもしれません。
老後資金の準備ができないということはないと思われますが、結婚した年齢が比較的高いSさん夫婦の場合は、教育費のかかる時期と老後資金の準備、親の介護が重なることをもう少し早めに気づいておくべきだったでしょう。
Sさんは、父親ががんになったとき「親父が病気になるなんて、いままで想像したこともなかった……。自分もそういうことがこの先あるかもしれないんだ……」と痛感したそうです。
たとえばがん治療は、先進医療や、医療費の全額が自己負担となる自由診療を選択して、多額の治療費がかかるケースもあります。自分の命を採るか、学費を採るか、という選択を迫られるかもしれません。
お子さんにはまだお金がかかります。いま一度、病気やケガ、万一のことが起きたときの備えについて確認しておきましょう、とお伝えしました。
藤原 洋子
FP dream
代表FP