「軽度知的障害」という言葉を聞いたことがありますか。知的障害の程度区分の中で、一番「軽度」と呼ばれるものになります。まわりの皆さんと同じように、言葉でのコミュニケーションもできます。日常生活も送ることができます。しかし、抽象的な表現や内容に対しては理解が難しく、困難なことが多くあります。この「軽度知的障害」についてどのような障害かをより詳しく説明していきます。また、知的障害のある方でも受けられる福祉サポートについても紹介します。

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気づかれない場合も多い「軽度知的障害者」

発達期までに生じた知的機能の障害により、知的発達が実年齢よりも低い知能指数において、適応能力が正常またはやや遅れがある状態を示します(知的指数のことを「IQ」と言います)、低い知能指数とは、IQが51〜70の水準にとどまることを示します。

 

軽度知的障害者の特徴について

軽度知的障害者には、言葉におけるコミュニケーションや日常的な生活が可能なことから気づかれにくいことが多いです。一方で、抽象的な内容の認識に困難さがあります。複雑な対人コミュニケーションや、学習面におけるつまずきに難しさを感じる障害とも言われています。

 

◆具体的な例

支援によって、読字や金銭などの概念を理解できるため、買い物や家事なども1人でできる。コミュニケーションはパターン化されていることが多く、他の人と比べると難しいことがある。記憶や計画、感情のコントロールなどが苦手。

軽度知的障害者の診断と判断基準について

知的障害と診断を受けるには、知的能力を示す知能指数(IQ)と日常生活への適応能力を総合的にみていきます。これが、発達期と呼ばれる18歳以下に発症したかどうかで判断されます。

 

◆知的能力を表す知能指数(IQ)

知能指数を測るには、知能検査と呼ばれるもので測定されます。この、知能検査で測定された知能指数が低ければ低いほど重症度が大きくなります。

 

知能検査でもっとも多く用いられるのは、ウェクスラー系知能検査です。年齢によって受けるものの名称や、内容が変わっていきます。

 

2歳6ヵ月から7歳3ヵ月の幼児用:「WPPSI」

5歳0ヵ月から16歳11ヵ月までの児童用:「WISC」

16歳0ヵ月から90歳11ヵ月までの成人用:「WAIS」

 

この知的検査で算出された知能指数が、約50から70までの人が軽度知的障害と判断されます。

 

しかし、これは判断材料の一つとなります。知的検査のみでは判断されず、上記でも記した日常生活における適応能力と総合的にみて判断されます。例えば、知能指数が70以下の場合でも適応能力が高いと判断されれば知的障害という判断はされない場合もあります。

 

適応能力

日常生活や、社会生活に必要な能力が他の同年齢の人に比べてどのくらい低いのかを基準にみていきます。アメリカ精神医学会『DSM-5』において、適応能力は以下の3つがあると言われています。

 

概念的領域:記憶、言語、読字、数量や時間などの理念を理解する能力

社会的領域:対人コミュニケーションにおける能力

実用的領域:金銭管理や食事の準備など日常生活における能力

 

この3つの能力の中で、適切な行動をとるために支援が必要だと判断されたことが1つでもあれば、適応能力が低い可能性があると言われています。

 

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