大学進学率が5割を超え、いまや「大学卒」が多数派。大学を出ていることが高収入を得る条件になっていることから、「とりあえず大学」という流れを加速させています。しかし大学を卒業しても、苦しい生活を強いられる場合もあるようです。みていきましょう。
月収37万円…「悔やんでいます」30代・3人家族の〈私大卒サラリーマン〉の悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

大学を出ていたら、平均年収650万円…とりあえず「大学くらい出ておけ」に拍車

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、日本のサラリーマン(正社員・平均年齢43.5歳)の平均給与は、月収で35.3万円、年収で579.8万円。さらに大学卒(平均年齢42.4歳)となると、月収40.0万円、年収で658.4万円と、月収で5万円、年収で80万円近くのプラスαとなります。

 

世の中、なんだかんだいって「学歴」であることは、いまのところ間違いないようです。ただ給与格差が如実になるのは40代くらいから。平均値の年収差をみていくと、30代前半では36万円程度。30代後半で63万円、40代前半で77万円、そして40代後半で104万円と100万円を超える差となり、50代後半で150万円強になります。

 

【年齢別・サラリーマンの給与】

20~24歳:3,486,300 円/3,461,700 円

25~29歳:4,609,400 円/4,373,100 円

30~34歳:5,449,300 円/5,080,800 円

35~39歳:6,370,700 円/5,734,100 円

40~44歳:6,934,400 円/6,162,800 円

45~49歳:7,564,000 円/6,520,900 円

50~54歳:8,372,300 円/6,931,200 円

55~59歳:8,576,700 円/7,016,600 円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値は左より、正社員・大卒/正社員・学歴計

 

給与に注目していくと、やはり「大学くらい出ておけ」という風潮に拍車がかかるのも無理のない話。子どもとしても「大学卒」というお守りを手に入れるためにも、大学進学を考えるでしょう。実際、大学進学率は5割超え(文部科学省『学校基本調査(確定値)』より)。いまや大学卒がスタンダードなのです。

 

ただし、そこには「お金」という壁が立ちはだかります。文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果』によると、私立大学の初年度納付金は文系で平均135万7,080円。文系で118万8,991円、理系で156万6,262円です。順調に4年で卒業したとしても、私立大学文系で407万円、私立大学理系で551万円程度になります。