新しい「NISA」の制度が2024年から始動します。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が設けられますが、それぞれ、どのように活用すればよいのでしょうか。大手証券会社で商品開発に関わった経験をもつファイナンシャルプランナー横田健一氏の著書『新しいNISA かんたん最強のお金づくり』(河出書房新社)から一部抜粋して紹介します。
「新しいNISA」が2024年始動…「つみたて投資枠」と「成長投資枠」それぞれの活用法【元証券マンのCFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「成長投資枠」では、どんな商品が「対象外」になる?

成長投資枠では、以下の商品を購入できます。

 

・上場株式

・投資信託

・ETF(上場投資信託)

・REIT(不動産投資信託)

 

◆上場株式

1つ目の「上場株式」は、証券取引所に上場されている株式で、日本国内に限らず、外国に上場している外国株式も対象となります。

 

株式は、資金を出資してもらった人(株主)に対して株式会社が発行する証券です。株主は利益の一部を配当として受け取ったり、株主として経営に参加したりできます。


上場株式は、取引所に上場しているため売買しやすくなっているもので、日本国内だけでも4,000銘柄近くあります。

 

◆投資信託(ETFを除く)

2つ目は、後述の「ETF」を除く一般的な「投資信託」です。つみたて投資枠では、対象が227本(2023年4月27日時点)と限定されていますが、成長投資枠では一定の条件はあるものの選択肢が広がり、約2,000本の投資信託が対象になるとされています。

 

多数の投資家から資金を集め、ひとつの大きな資金として、株式、債券、不動産(REIT)等を対象として投資する金融商品です。


投資対象である株式等の価格が日々変動するため、投資信託の値段(基準価額)も日々変動します。投資信託の値段は1日1回のみ計算されます。

 

◆ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)

3つ目は、取引所に上場し株価指数等の指標に連動するように運用される投資信託で、ETF(上場投資信託)とよばれるものです。上場株式と同様、取引時間中はいつでも取引可能です。

 

◆REIT(Real Estate Investment Trust、不動産投資信託)

4つ目の「REIT(リート/不動産投資信託)」は、オフィスビルや住居等の不動産を購入し、家賃収入を投資家に分配していくタイプの投資信託です。

 

不動産を対象とした投資信託で、通常は取引所に上場しているものを指します。不動産の種類によって、住居、オフィスビル、商業施設、物流施設等のタイプに分かれています。

 

成長投資枠で購入できる商品は、基本的にこれら4種類となりますが、安定的な資産形成に適していないと考えられる一定の商品は対象外となります([図表3]参照)。

 

*成長投資枠でも、安定的な資産形成に適していない商品は対象外となります。
[図表3]「成長投資枠」対象外の商品 *成長投資枠でも、安定的な資産形成に適していない商品は対象外となります。

 

個別の商品が成長投資枠の対象かどうかは、新しいNISA口座をお持ちの金融機関に問い合わせるのが確実です。

 

 

横田 健一

株式会社ウェルスペント

代表取締役