日本学生支援機構によると、大学生の2人に1人は奨学金を利用しているそうです(令和2年度学生生活調査)。高卒と大卒では、生涯年収の差が数千万単位に開くため、多少無理をしてでも大学に進学する人は少なくありません。そのため、人によっては卒業後、奨学金に苦しめられることも……。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが、事例を通して「奨学金利用者」を巡る残酷な現実と返済プランを解説します。
愛する娘はやれん!…手取り26万円の31歳・会社員、婚約者の父に結婚を猛反対された〈奨学金〉の残酷【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

“奨学金=悪”ではない…大切なのことは「制度を理解して有効活用すること」

奨学金の返済は、奨学金を利用していない人に比べると負担ではありますが、通常の教育ローンなどと比べても金利は低く、月々の返済は1~2万円ほどです。仕事をしていれば返済できない金額ではありません。

 

高卒と大卒では、生涯年収の差は数千万単位に開きます。目先の負担を考えて「奨学金を借りるくらいなら大学に行かないほうがいい」といった考えは損でしょう。

 

また、就職後なんらかの理由で収入が減った場合には、日本学生支援機構に相談することで返済額の減額や返済を待ってもらうことができる場合があります。

 

家計が苦しくなったときには、奨学金を滞納してしまう前に専門家に相談しましょう。

 

借金や投資など「お金のこと」に関しては、ついイメージで判断してしまう・されてしまうこともあります。しかし、だからこそしっかりと情報収集をおこない、自分の人生にとって有益な制度や仕組みがあれば有効活用していくことが大切です。

 

 

武田 拓也

株式会社FAMORE

代表取締役