子ども同士の「お金のやりとり」は、トラブルにつながりやすいものです。場合によっては「犯罪」や「いじめ」につながる可能性も考えられます。保護者は、こうした金銭トラブルをどう防げばいいのでしょうか。また、起きてしまったらどう対処すればよいのでしょうか。自身も1児の母であり、出産・子育てに関わる法律問題に詳しい弁護士・高橋麻理氏の著書『子育て六法』(日東書院本社)より、一部抜粋してご紹介します。
子ども同士の「金銭トラブル」…お金の貸し借りだけでなく「プレゼント」も危険!わが子を守る方法は?【弁護士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

友達からもらった「プレゼント」がトラブルの原因になるかもしれないワケ

家庭によりいろいろな考えがあり得るところですが、私は少なくとも小学生のころまでは、物をもらうのもあげるのも慎重にしたほうがよいと考えています。私が大事にしているのは、「相手の保護者が認識しているか」という点です。

 

たとえば旅行のお土産なら、保護者了承のもとだと思うので、ありがたくいただき、こちらも旅行の際にお土産を買ってお礼をしていました。一方、学校でシールや消しゴムなどをもらってくることについては、保護者が認識していない可能性が高いので、基本的にはもらうべきではないと子どもに伝えていました。

 

子どもたちが親愛の気持ちで文房具などを友達にあげたくなること自体は、ほほえましく思います。でも、子どもの気持ちは移ろいやすくもあります。相手のお子さんが親に問い詰められて、「本当はあげたくなかった」「脅し取られた」などと説明することで、トラブルになりかねません。失った価値に相当する金額の支払いを求められる可能性もあります。

 

もし、わが子が友達から高価な品をもらってきたら、相手の保護者が高価なプレゼントのことを認識していたとしても、認識していなかったとしても、すぐ連絡して返却するのがよいと思います。お返しにも困りますし、子どもとお友達との関係性に影響が出てしまうことを不安に思うからです。子どもから返却させると、万一なくしたり壊したりしては大変ですし、今後同じような事態を防ぐためにも、親から相手の親に返却し、相手の保護者にも状況を把握してもらったほうがよいと思います。

 

物のやりとりによって友達関係がゆがめられてしまうことは避けたいですよね。友達を大事にする気持ちは、日常の言葉や行動で相手に伝えることを大切にしてほしいと思いますし、私自身もその姿勢を子どもに見せられるようにしたいと思っています。

 

 

高橋 麻理

弁護士法人Authense法律事務所

弁護士