「完全平等」とまではならないが、柔軟な取り決めも増えてきた
父と母の葛藤に子どもを巻き込まない、子どもの生活には安定が大事、ということは、当然のことですし、それ自体間違いでも何でもありません。
ただし、今回のアメリカのケースなどのように、「父と母とは平等!そして監護の量も平等!」という発想を持つことは、日本ではやはり後回しになりがちです。しかし、そのような家庭裁判所でのお話合い、取り決めのあり方も、ここ数年、それなりに変化してきたように思います。
ハルさんのように、1週間を2分割して交代して、週末も隔週で……なんていうケースはさすがになかなかないのですが、週末は一方の親のところで過ごすとか、長期休暇は長めに滞在するとか、柔軟な取り決めも増えてきました。
とはいえ、日本で「完全平等」を実現するには……まだまだ課題は多いと思います。
離婚しても、両親が等しく子どもに携わるのが当然
もちろん、これはセレブリティのケースですし、両方の親が、子どもとの生活を実現するために仕事時間をコントロールできるか、できないとすれば、祖父母やベビーシッターさんなどの外部の力を頼めるか、など、外的な事情が密接にかかわるからです。理念だけで実現できるものでないことはもちろんですし、海外至上主義はNGです。
しかしながら、次第に日本全体の考え方が柔軟になり、父母が離れ離れになったとしても、「両方が等しく子どもに携わるのが当然なんだ」となっていけばいいなと思います。
なお、冒頭のハルさんのケースは、ハルさんからお父さんのほうに養育費が支払われることになっています。当然、ハルさんのほうが収入が多いからですが、なんでも月額基本8000ドル(約100万円)と教育費全額のほか、収入連動でプラスで加算もされるとか。こちらも興味深いところです。