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訪問介護事業所から「施設への入居が必要」という最終通告が
トヨさんが引っ越してきて1年が経ったある日のこと。夕子さんがパートを終えたタイミングで、携帯に電話がかかってきました。電話をかけてきたのは、訪問介護事業所のサービス提供責任者でした。
「本当に心苦しいのですが…、私たちの訪問介護だけでお母さまを支えるのは、もう限界に来ています。一人でいるときにこれだけ激しい失禁やパニックを起こしているとなると、いつ転倒して大けがをしてしまうかわかりません。ヘルパーの時間をこれ以上増やしたとしても、24時間の見守りにはならないんです。お母さまの安全を守るためにも、施設への入居を本格的に検討していただけないでしょうか」
電話口で話を聞きながら、夕子さんは「ついに来たか」と思いました。夕子さんが自宅にいるときもトヨさんはたびたび粗相をしていましたが、一人きりになると不安とパニックで粗相がさらにひどくなる傾向があったのです。
しかし、夕子さんも明さんも仕事があるため、24時間つきっきりでトヨさんの面倒を見るわけにはいきません。在宅でのケアに限界を感じていたことから、夕子さんは「母を施設に入れようと思います」と答えました。
都内の有料老人ホームは月16万円…在宅介護と施設介護の大きすぎる壁
トヨさんを施設に入れることを決めた夕子さんは、さっそく近所の有料老人ホームに連絡します。自宅から徒歩10分の場所にある施設であれば、パート終わりにトヨさんの顔を見に行けると考えたのです。
電話口で入居費用を確認したところ、入居一時金が60万円、入居費用は月16万円とのことでした。
「月16万円」。その金額に、夕子さんは愕然とします。訪問介護サービスの料金は、週2回、1回2時間の利用で月15,000円ほど。在宅介護と施設介護の大きすぎる壁を感じた瞬間でした。