ある日突然、離れて暮らす両親が認知症になった。そのような将来は決して他人事ではありません。施設への入居が必要になった場合、毎月どれくらいの費用がかかるのでしょうか。また、その費用は年金と貯金で賄える金額なのでしょうか。遠方に住む母親に突然介護が必要になってしまった夕子さん(仮名)の例をもとに見ていきましょう。
「噓でしょ…たった6年で全財産が底を尽きるなんて」施設入居待ち・88歳母の年金と貯金額を知った65歳娘が「毎月9万円の赤字」と絶句した<自営業の厳しすぎる現実> (※写真はイメージです/PIXTA)

自営業の国民年金は、サラリーマンの厚生年金より「9万円少ない」現実

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員が主に受け取る厚生年金保険の月額平均は約14万7,000円であるのに対して、自営業が受け取る国民年金の月額平均は約5万7,000円。厚生年金保険と国民年金で、約9万円もの格差があるのです。

 

令和7年度に国民年金額が69,308円に改定されましたが、食費や介護費用などで消えてしまう金額です。

 

さらに、国民年金を受け取る人が亡くなった場合に出る「遺族基礎年金」は、原則として18歳未満の子がいる配偶者または18歳未満の子(高校卒業まで)のみに支給されます。自営業の夫が亡くなった時点で子どもがすでに成人していれば、妻には遺族基礎年金が1円も支給されません。

 

「真面目に働いて、コツコツ貯金をしていれば大丈夫」という神話は、現代の介護費用の前では通用しません。

 

自分の身は、自分で守る。なかでも自営業の人は「iDeCo」や「小規模企業共済」 といった資産形成の制度を正しく学び、10年後、20年後の未来を守る準備を始めることが大切です。